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2011年5月 9日 (月)

日本神話の星座的解釈(一)

四月七日

 天孫降臨に登場する邇邇芸命(ににぎのみこと)、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと、山幸彦)、鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)、神倭伊波礼琵古命(かむやまとのいわれびこ、神武天皇)は海部(あまべ)と深い繋がりのある神様です。

 邇邇芸命は日向国に降り立ったとされ、日向国(宮城県)の都城盆地から大隅国(鹿児島県東部)にかけての神社にまつられています。元々は都城盆地の豪族に信仰されていた神様ではないかと考えられます。

 邇邇芸命が大山祇神(海部の神様の総元締め)の娘である木花之開耶姫(このはなのさくやひめ)と結婚して生まれたのが火照命(ほでりのみこと:海幸彦)と火遠理命(ほおりのみこと:山幸彦)です。これは都城盆地の豪族が海部に婿入りする形で日向国海岸部に進出したことを表しているのでしょう。

 邇邇芸命と木花之開耶姫の結婚の物語は、太平洋全体で見られる「バナナ型神話」の典型例です。最初に神様から与えられた石(永遠の命)を拒否し、次に神様から与えられたバナナや美女を喜んで受け取ったため、人間は死すべき物となったという神話です。

 海幸彦と山幸彦の物語はおそらく嫁取り婚神話の変形です。ヒーローが異民族のお姫様と結婚しようとしたところ、その娘の父親と兄が妨害する、けれどもお姫様の助けを得て切り抜けるという世界中にある神話です。古事記の中では海幸彦と山幸彦は同じ親から生まれた兄弟と言うことになっていますが、元々は海幸彦は大山祇神の息子で豊玉毘売(豊玉姫)の兄なのでしょう。天皇家の祖先が海部に入り婿していたと言うことでは都合が悪いので血縁関係が改編されたのだと思います。

 彦火火出見尊(山幸彦)と豊玉毘売はめでたく結婚して、豊玉毘売に子供ができるのですが、お産の時に本来の姿である大鰐(大きなサメ)に戻ってのたうち回ったために彦火火出見尊はびっくらこいて逃げてしまい、豊玉毘売は本性を見られたことを恥じて海の底へ隠れてしまいます。これも異族婚神話の典型的なパターンです。男が人間で、女が動物の場合、女がお産や子育ての時に動物に戻るのを見て男は恐れおののいて逃げてしまいます。女が人間で、男が動物の場合は、女は最終的に動物になってしまいます。男が環境の変化に弱いのと、女の適応力の強さを表現しているのでしょう。わかるような気がします。

 豊玉毘売は息子の鵜草葺不合命を育てるために、妹の玉依姫を地上へ送ります。これは母親の一族が乳母となって貴公子を育てる風習を表しているのでしょう。飛鳥時代まで残る「皇子養育氏族」の風習の原型だと思います。さらに玉依姫が海の底に隠れるのは、昔の出産は危険で母親が命を落とすことも珍しくはなかったので、それを表しているのかもしれません。

 鵜草葺不合命は育ての親の玉依姫と結婚します。これも古代では珍しくないことで、叔母との結婚は多数見られます。昔の人はたくさん子供を作りましたし、一夫多妻でしたので、叔母と甥が同じくらいの年齢になる(場合によっては叔母の方が年下になる)ことは珍しくありませんでした。同族婚のタブーがない民族の場合、身近にいる叔母が最初の結婚相手になることは珍しくなかったはずです。

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