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2011年5月 9日 (月)

易経勝手解釈(十一)・・・山雷頣(二) 「乃」の原義と、読み下し分の新解釈

 山雷頣には若干錯簡があると思います。それを修正しました。

 それと、子供の頃に飼っていた鶏の仕草を思い出しながら、白文の読みも伝統的な読みから独自の読みに修正しました。

 また卦辞に出てくる「朶」の字はこれまで「顎を垂れる」などと読まれてきましたが、もっと重要な意味があると私は考えています。

 「朶」の中にある「乃」は「長く垂れること」を表しているのではないかと推測されています。実は甲骨分や金文における「乃」という字の読み方は定まっていません。白川静先生は「字統」で弓の減を外した状態ではないかと推測していますが、はっきりとはわからないようです。

 「乃」は木偏や人偏や手偏や女偏とくっつきます。木偏とくっついたのは「朽」であり。時間がたって木が朽ちることを意味します。仍はずっと続くという意味です(仍然、仍孫、仍旧)など。奶(女偏)は乳房を表します。どれにも「垂れている、長く続く」という意味があります。

 また卦辞に出てくる「朶」は、木の上に何か垂れる物がのっかているという意味ですが、鶏そのものを表しているのだと考えられます。

 鶏は灌木に止まります。そして尾や肉ひげ(顎の下にぶら下がっている赤い部分)が垂れています。長く伸びのある声で時を告げます。

 さらに一歩進んで、「乃」は形の上から言って「鶏」の形象をうつした甲骨文字だったのではないかと思います。仍も奶も本来は鳥占いをする卜官を表しているのでしょう。

 「乃」が後になって「すなわち」「みずから」というように仮借されるようになったのは、この「垂れる、ずっと続く」という原義から、順接の接続詞にも使われるようになったのではないかと考えられます。

(27)山雷頣
卦辞
伝統的解釈
べっちゃん解釈
 頣む(ついばむ)を観る。口を実たし(みたし)、自求せよ。爾の霊亀をすて、我が朶(とり)の頣むを観よ  その人が、平素何を食べているか(たしなんでいるか)、自分自身の心身を養う手段として何をしているかを観察せよ。だらしなく下あごを垂らす様。  鶏の餌の食べ方を観察する。祭器を餌で満たし、動物に自分でやらせる形のまじないをする(「求」の原義は動物の皮を叩く呪い:「字統」より)残酷な亀占いなんか止めて、鶏が首を垂れて餌をついばむ様子を観察せよ。
爻辞
伝統的解釈
べっちゃん解釈
上九 由まで頣む、厲ふくして吉、大川を渉るに利あり 君子の委任を受けて上位に立って下の者を養うので吉である、大胆なことをやっても大丈夫 鶏が餌を平らげる(由の原義は「空っぽ」、卦辞の口実→由で対応している)、鬼神の助けが得られる状態で、大胆なことをしても大丈夫
六五 経(はね)を払ふ、貞におれば吉なり、大川を渉るべからず 君子でありながら下の者を養うことができない、そのためさらに上位の人に助けを求める、謙遜しており責任感があるので吉であるが大それたことをしてはいけない 羽ばたく、(危険を察知している状態なので)じっとしていれば吉である、大それたことをしてはいけない
六四 顛(まこと)に頣む、吉 従順で正しい四爻が初爻に養いを求めるので吉である 普通に餌をついばむ、吉である
六三 払ひて頣む、貞なれども凶 食わんがためにどんな不正なことでもしようという状態で道理に悖っている、貞淑なふりをしていても凶である 羽ばたきながらついばむ、(鶏が落ち着いていないので)身を修めていても危険な状態
六二 于(止まり木)に丘りて(のぼりて)、頣む、征けば凶 下位の者に養われるので転倒している、行こうとしても凶運に遭う 止まり木の上で餌をついばむ、(落ち着きがなく迷っているので)行けば凶である
初九 顛(まこと)に頣む、経を払ふ、凶 鶏が普通についばみながら、羽ばたく、凶である

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