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2011年5月16日 (月)

日本神話の星座的解釈(六)

 邇邇芸命と木花之開耶姫の間に生まれたのが火照命(海幸彦)と火須勢理命と彦火火出見尊(山幸彦)です。海幸彦と山幸彦が双子座の兄弟星だろうという説は既に山天大畜の解説で披露しました。

 双子座のカルトスとボルックスは同じ位の明るさで二つ並んでおり、従えている星の並びも左右対称になっています。そのため世界中で古くから兄弟星と呼ばれてきました。金銀星とも言われます。

 青白い二等星がカルトスで、ギリシャ神話でも兄。海幸彦です。

 オレンジ色の一等星がボルックスで、ギリシャ神話でも弟。山幸彦です。

 面白いことに双子座は地中海でも航海の神様です。

 山幸彦は海幸彦の釣り針をなくしてしまいます。この釣り針は獅子座の頭部です。西洋では大鎌と呼ばれています。釣り針の形にも似ています。もう少し春の側へ行くと両親の邇邇芸命(牛飼い座)と木花之開耶姫(乙女座)があります。

 釣り針をなくしたことを海幸彦に責められた山幸彦は浦島太郎のように魚に連れられて海の底(死者の世界?)へ行き乙姫様ならぬ豊玉毘売と仲良しになり、釣り針を取り戻します。双子座と獅子の大鎌の間には蟹座があります。蟹座は西洋でも支那でも死者が赴く場所とされています。ぼんやりと光るプレセベ星団が死者の魂のように見えたからです。支那では鬼宿(たまほめ)と呼ばれています。これは山幸彦が訪ねた海の底ではないでしょうか。

 あるいは、豊玉毘売の出産の神話は出産による死を連想させますので、蟹座は豊玉毘売かもしれません。そういえば豊玉毘売は出産に際して産屋を作りますが、これは蟹座の四角形のことかもしれません。

 海幸彦山幸彦の話では山幸彦が剣をつぶして釣り針を作ります。石器の時代(岩長姫)が終わり、金属器の時代が始まったことを表しています。鍛冶の始まりが海幸彦山幸彦の神話に入っている理由は、

冷えた金属=白色=カルトス=海幸彦
熱せられた金属=オレンジ色=ボルックス=山幸彦

という連想でもあるのです。

そしてこの神話は
兄→冷えた金属(頑固さ・古さ)
熱い金属(柔軟さ・新生)→新しい金属器→弟
という連想でもあります。それに鍛冶というのは一人ではできません。必ず共同作業となります。これも兄弟神と鍛冶が結びついた理由でしょう。

 この神話は、本来は邇邇芸命と木花之開耶姫の息子が山幸彦のみであったとすると、より素直に理解ができます。彦火火出見尊は海神の娘である豊玉毘売と相思相愛になり、結婚を申し込みますが兄(もしくは父)の海幸彦の妨害を受けます。海幸彦は「釣り具を交換して魚釣り合戦で勝ったら結婚させてやろう」と言いますが、海幸彦の計略によって山幸彦は海幸彦の釣り針をなくしてしまいます。山幸彦は火の神様ですので、自分の剣を鋳つぶしてかわりの釣り針を作りますが、海幸彦は許してくれません。けれども豊玉毘売の力で釣り針を取り返し、潮涸玉と潮満玉の力で海幸彦をぎゃふんと言わせて、めでたく山幸彦と豊玉毘売は結婚できました。となります。

 古代人の想像力の豊かさには舌を巻くほかありません。

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