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2011年6月22日 (水)

ますますもって建武の新政

 後醍醐院が西海から攻め上ってきた足利尊氏に降伏し、新田義貞を見捨てざるを得なくなったときに、難詰する義貞に対して、これは方便だ、尊氏を安心させておいていずれひっくり返すのだと言ってなだめたことがあったと思うのですが、今回の内閣不信任案から会期延長にかけての混乱はこれそっくりですね。

 あのとき衆議院を解散していれば、今頃新しい政権ができているはずです。その間何も決まっていないのですから、選挙をやったら物事が停滞するというのは嘘だったことになります。

 総理大臣たるもの、下からの突き上げで辞める必要はないと思います。私も菅総理は無能であるので、さっさと辞める方が日本のためだと信じる一人ですが、だからといって「辞めるのが当然」という空気には与しません。

 被災地の復興に関しては、とにかく実行あるのみです。でもそれ以外の課題については、早く決断をする必要はないと思うことばかりです。外交の場で日本が主導権なんか発揮したら、ギリシャ借金の尻ぬぐいとか、中越の領土問題とか面倒ごとを押しつけられるだけです。競争力の強化として提案されている政策は新自由主義的な物ばかりなので、そんな改革はしない方がマシです。

 大東亜戦争の時は果敢な決断をした結果最悪の結果となりました。でも今回は、決断ができないことによって日本は世界の面倒ごとに巻き込まれることも、経済や被災地が学者の玩具になることも避けられています。日本人は七十年で賢くなったのです。

 どうせ新しい総理大臣が民主党から出ようが自民党から出ようが今より状況が良くなったりはしません。麻生さんか小泉さんなら状況は打開できると思うのですが、この二人を超える政治家は今の国会の中にはいません。焦ることはないと思います、今の混乱を続けることは日本にとって悪いことではないです。

 そういえば、麻生さんが中心になって進めていたスポーツ基本法が6月17日に成立しました。この法律の善し悪しは分かりませんが、麻生さんは法律を通すのが非常に上手だなと改めて思いました。この混乱の中着実に法律を通すのはすごい。総理大臣の時も、あの大混乱の中で記録的な数の法律を通しました。機能不全状態になっている菅政権や今の与野党首脳との能力の差は歴然です。

追記 とはいえ、民主党政権はまだ衆議院選挙では負けていないので、南北朝時代に当てはめると、まだ足利尊氏が光厳上皇の院宣をもらったところまでは来ていないと思います。おそらく北畠顕家の上洛で負けたあたりですね。

 自民党と公明党はそろそろ菅政権に協力する方向へ舵を切る方が良いと思います。会期延長に反対するのは、普通の人から見ると、サボりたいようにしか見えないので筋が悪いです。あんまり言いたくないですが、谷垣・石破・小池の面々には国政を奪還できるだけの器量がないと思います。選挙は二年後だと腰を据えて、魅力的な政策を訴えられる人をトップにすえた方が良いです。

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コメント

どうしてこれほど次元の低い、中身のない権力争いになってしまったのか。
たとえば、菅さんに代わって新しい方が総理大臣になったら、どういうことを国民にアッピールするのか。日本の政府は何をするのか。
大連立は手段であって、その目的はまた別であります。その話なしでは、国民は政治にはあまり興味はありません。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

投稿: noga | 2011年6月23日 (木) 21時45分

内閣不信任案を否決した以上、菅総理は辞める必要はありません。

野党たる自民党と公明党が菅総理に辞任を迫り続けるのは構わないと思いますが、それが約束だみたいに言うのはおかしい気がします。そんなことをせずに、普通に菅総理の失政や、総理としてふさわしくない言動を宣伝すれば良いだけだと思います。

不信任案に反対した民主党員が菅総理を辞めさせようと必死になる光景は滑稽です。彼らは手続きを踏んで決められたことを軽視しすぎています。その場凌ぎのために不信任案に反対したけれど、本当は辞めて欲しかったのだ、などという言い逃れは社会人として通用しません。

菅総理は見苦しいですし、人の上に立つ人間の敵性がないと思いますが、つらつら考えるにこれら愚か極まりない与野党の政治家の中では、一番大義名分論的には正しい位置にいると思います。だからごり押しみたいな要求に屈して辞める必要はないと思います。

今の政治家は儀式とか手続きという物を軽視しすぎているんですよね。形式なんかには心は縛られない、形式とは反対の心を持つことができると思い込んでいる。戦後教育を受けた人の悪い点です。

けれども、人間の心は形式に縛られるのです。人間の心は儀式とか手続きという物に非常に縛られるようにできています。論理的な説得とか教育よりも、こういった形式の方が心に及ぼす影響は強いのです。


マニフェストはただの方便、政権さえ取れが好きなことができる、とマニフェストをバカにしていたはずの民主党首脳が一番縛られています。その場凌ぎで不信任案を否決しただけの民主党員は最早菅総理に逆らうことはできません。法的な形式論からできないのではありません、本心からできないのです。心のあり方を軽視しすぎた報いですね。

私個人としては菅総理は日本のために辞めるべきだと思いますが、菅総理本人が辞めると言い出すまでは誰にも辞めさせることはできないと思います。マスコミも政治家も、空気を醸成すれば総理大臣が自然に辞めるだなんて傲慢なことを思ってはいけませんよ。

投稿: べっちゃん | 2011年6月23日 (木) 22時07分

そういえば、適性がないとか人としてダメなら、なぜ総理以前に党代表なんかになれたんでしょうね?

鳩はお金持ちだってことでまだ説明がつくんですが
管総理ってなんかありましたっけ?

投稿: NMR | 2011年6月27日 (月) 11時41分

当選回数が多い、クリーンなイメージがあって世論調査で支持率が高かった、党内遊泳術が上手、など。

三木武夫総理に似ているかもしれません。三木総理もクリーンなイメージとは裏腹に、権力闘争は上手で一筋縄ではいかない政治家でした。

怒りっぽいだけなら別に総理失格にはならないと思うのですが、どうも菅総理は自分に都合の悪い報告を聞きたがらないために状況の悪化を招いているようです。これは上に立つ人間としては致命的欠陥です。民主党の議員も、ただ単に怒りっぽいだけと最初のうちは思っていたのでしょうね。菅総理の事務所で働いていた人や、古くからの同志の中には、「あれは組織のリーダーには向いていない」と主張していた人はいました。

投稿: べっちゃん | 2011年6月27日 (月) 18時06分

菅も、こうもしぶといとは、
今では、なかなか見応えがある、と感服しています。

退陣を信じてしまった鳩山の相変わらずの馬鹿ぶりが明らかになりました。
鳩山さんは簡単に騙される人なんですね。

故三木総理も田中軍団・政和会と真正面からの闘争をして、粘って粘って総理の座に居座ったけど、
菅はどこまで居座れるか?

投稿: 菊池 | 2011年7月11日 (月) 19時37分

現在民主党にいる代議士を首相としての適性で見ると菅総理が一番マシなので、このまま菅総理であと一年くらいやってくれてもいいと個人的には思っています。震災復興以外は、今別に物事を進める必要はないからです。

まあ自民党の方が地方の声を吸い上げるのが上手なので、震災復興を迅速に進めるためには菅総理が辞めるて大連立になるが良いと思いますが、民主党首班だとおそらく党内の混乱に巻き込まれて、今以上に物事が進まなくなると思うんですよ。

一番いいのは総選挙をやって、自民党がほどほどに勝つことじゃないかと思います。

事態を打開するために解散するのは別になんのおかしいこともない憲政の常道ですから菅総理は遠慮無く解散すればいいのです。民主党は負けるかもしれませんが、小沢とか前原みたいな駄目人間に政権が移るよりはマシですよ。

被災地の投票は、日本の地方公務員は優秀なので何とかするでしょう。

投稿: べっちゃん | 2011年7月11日 (月) 23時25分

前原の前代表の時の馬鹿振りを見ると、前原さんんが首相になった場合、菅より可笑しな政権になるように思います。
つーか、昔の事なんですが、あの時、もう少し熟慮していれば、前原さんは、同僚の永田議員を死なせずにできたんではないでしょうか?本当に……、
大将は、向きになって突き進めばいいというものでもない。
本当に悔やまれます。

投稿: 菊池 | 2011年7月12日 (火) 13時13分

前原氏はどの仕事も全うせずに途中で投げ出しています。民主党代表も、国交相も、外務相も。取り巻きのサポートもあり、恵まれたポストを与えられてきたにもかかわらずです。これはもう彼には社会人としての素質が欠けているとしか言いようがないでしょう。

あのメールは明らかにトラップなんですが、あれほどマジに引っかかるとは引っかけた方も信じられなかったのではないでしょうか。さらに、永田氏が自殺してしまったことから、前原氏が踏み台としてしまった彼に対するフォローを何もしていなかったことが想像できます。リーダーとしての素質を欠いています。

松下塾のホープと言うことで甘やかされてきたのでしょうね。でもそれで彼はスポイルされてしまいました。

菅総理は無能ですし、人望もないですが、国政のイニシアチブだけは握っています。民主党のさらに駄目な面子に政権が移行するよりは菅総理が居座る方がまだマシです。

総選挙をやって速やかに自民党に政権を移行させるのが最善であるのは言うまでもありませんが。

最善 総選挙をやって自民党政権ができる
次善 民自公の連立政権(自民首班)
中   民自公の連立政権(民主首班)
ブービー 菅政権が続く
最悪 菅総理が退陣して新しい民主政権

といったところでしょうかね。

投稿: べっちゃん | 2011年7月12日 (火) 19時15分

アメリカに問題があるのですが、
円が1ドル=78円台まで上げられてしまいました。
邦人企業の悲鳴が聞こえてきます。
この先、民主党で本当に大丈夫なの?
円高対応策があるの?
と心配になりました。

投稿: 菊池 | 2011年7月14日 (木) 17時10分

菅政権はここ十年間の政権の中では最も緩和的な金融政策を行っています。震災による怪我の功名的なところもありますが。

20兆円規模の第三次補正予算が成立すれば、財政と金融に対して、日本ができることはだいたいやったことになります。

平時であれば円安に転じていてもおかしくないくらい金融緩和をやっています。これについては菅政権はよくやっています。

けれども米国と欧州が余りにひどすぎるので、円高は止まらないかもしれません。

私が菅総理の退陣に反対なのは、この日銀との旅行な関係と金融緩和が次の政権で続くかどうか心配だからと言うのもあります。菅総理の金融緩和は、彼のちゃらんぽらんさが奏功しています。けれども秀才肌の民主党の若手が政権を握ったら、インテリ受けを狙って金融引き締めに走るかもしれません。それが心配です。

安倍元総理が日銀の国債引き受けを主張していますが、どうも付け焼き刃な感じがするので心配です。金融についても、自民の中で一番まともなのはやはり麻生さんなんですよ。

投稿: べっちゃん | 2011年7月15日 (金) 22時53分

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