若者は年金を支えるための家畜ではありません
このドイツと南欧の関係は、今の日本の50代以上の世代と30代以下の関係と似ています。年功序列制になっていて、中間層になれることが分かっている職は減って、ワーキングプアにしかなれない職が増えています。
従来であれば、技術の足りない若者の導入業務になっていた仕事は、定年の延長で高齢者に占有されています。
就職しても低所得層に一生閉じ込められることが見えているのだから、若い世代がサボタージュで抵抗して当たり前です。
先日テレビ番組で、若者が投げやりになって働かなくなることを「サイレントテロ」と表現していましたが、出場していた解説者たちが、若者を同胞として見ず、搾取の対象としてしか見ていない言葉遣いであったことに唖然としました。
若者が働かなければ年金の払い手が少なくなって老後の生活が苦しくなるのだから若者を職に就けて、さらに子供を産ませようと。まあ確かにその通りなんですが、若者を同胞と思うのなら、自分たちが乗っかっていた、将来はもっと生活が良くなる、という世界に戻すためにはどうすればよいかという観点が欲しいです。
あれでは老人に年貢を納める若者という家畜をいかに殖やすかの話にしかなりません。
絶えず生活水準が上昇する時期というのは人類の歴史の中でも非常に珍しかったのです。ここ五十年が普通と考えて、政策を作られたり、企業の方針を作られてしまうと、誤ることが多いと思います。
むしろ人類の歴史の中では、社会全体の富の総量は変わらず、所得も世代を超えて固定されてしまう時期の方が普通です。
今の社会の上層にいる人たちは、そういう新封建制とでも呼ぶべき時代を良しとして、そのなかでいかに自分の利益団体、つまり藩に国の金を持ってくるかしか考えておらず、若者や地方の生活の向上が頭にないのです。
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