易経勝手読み(三六)・・・匪寇婚媾
水雷屯と山火賁の詩です。非常に美しい詩です。詩経に収録されなかったのが不思議です。字数がそろっていないので、民謡で貴族の趣味には合わなかったのかもしれません。
白い馬、白い花嫁衣装、光る花嫁の涙、赤らむ顔、緑の丘、贈り物の衣、なんと明るい情景歌でしょうか。古代人のあふれる生命への賛歌だと思います。
屯如邅如
乗馬班如
匪寇婚媾
女子貞不字
十年乃字
即鹿无虞
惟入于林中
君子幾
不如舎
乗馬班如
求婚媾
屯其膏
乗馬班如
泣血漣如
賁其趾
舎車而徒
賁其須
賁如濡如
賁如番如
白馬翰如
匪寇婚媾
賁于丘園
束帛戔戔
房つきの良い香りのする衣で
仲良く馬車に乗る二人
今日は晴れの日
女の子は髪上げの日を占ったりはせぬ
十年もたてばもう大人
獲物は鹿にしてください虞はいりません
花婿は結納の獲物を求めて林に入る
そしてお祓いをして
結婚の申し込みを捧げ持つ
仲良く馬車に乗る二人
結婚のお申し込み
豚の脂のように真っ白な衣
家族との別れに涙を流す花嫁
うつむく花嫁は馬の蹄にはっとする
花婿は馬車から降りて花嫁を迎え入れる
馬車に乗った花嫁が顔を上げると
横にはめかし込んだ花婿の顔
花婿に笑いかける花嫁の光るような美しさ
見つめ合い白粉を塗った頬がぽっと赤く染まる
白馬は空を駆ける幟のよう
今日は晴れの日
式場の丘を飾るは
みなからの贈り物の美しい衣
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