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2011年10月16日 (日)

易経勝手読み(四七の上)・・・天地否

九月二十日

 以前の物はいくつか誤りがあったので修正しました。

 なぜだかよく分かりませんが、今日は日中インターネットが使えませんでしたので、市の図書館へ行って養蚕の資料を集めてきました。昨日の晩に火風鼎の分析をしている内に、どうやら火風鼎も養蚕のことを表した卦であるらしいことが分かってきたからです。

 私が住んでいる日野市はかつては養蚕の郷として知られており、日野駅の東側にはかつて養蚕の研究所がありました。それだけあって、蚕の資料が充実していて、大変な発見がありました。天地否と火風鼎は間違いなく養蚕を扱った卦です。古代の支那人が蚕の生態に非常に詳しかったことがこの二つの卦から分かります。科学的とも言える正確な生態の描写に感動したので、公開スケジュールを飛ばしてこれを先に発表することにしました。

解説

抜茅茹以其彙
 茅とは茅葺き屋根の茅のことです。細くて丈夫な茎を持っています。古代支那では茅の葉を敷いてその上にお供え物や贈り物を置いたと言われています。漢和辞典を調べたところ「茹」には「しく」という読みがあるそうです。したがって、抜茅茹とは養蚕に不可欠な蚕箔(さんぱく)のことではないかと考えられます。

 蚕箔とはザルや籠のような物で、蚕のいわば家です。蚕は桑の葉からは離れない上に足が退化しているので、浅いザルの上で飼っても逃げることはありません。

以其彙
 これはおそらく蚕に繭を作らせるための蔟(まぶし)ではないかと考えられます。蚕は狭い場所に入れてあげないと上手に繭が作れません。現在はマッチ箱くらいの小箱(回転蔟)に入れて繭を作らせます。回転蔟が発明されるまでは、藁を束ねたタワシのようなもののなかに第5齢の蚕を入れて繭を作らせていました。

 蔟には「集まる・群がる」という意味があります。ですので天地否の爻辞に出てくる彙(たぐい)とは、蚕が繭を作るための足場である蔟のことをさしていると考えられます。

包承包羞
 蚕は完全に家畜化されていて、成虫になっても自力で飛ぶことはできません。そのため交尾させるにはオスをメスの近くまで連れて行ってやる必要があります。承という字は女性を手で受ける象形文字であり、羞は羊の先端を手で触っている象形文字です。

 おそらく承と羞というのは本来は種付けを意味する字だったのではないでしょうか。承は女性を両手で受け止める字形ですので、女性が男性を受け入れたことを意味するのではないかと思います。羞は羊のオスの性器を取っている字形に見えます。ですので羞という字は性的にはじることに使われる字になったのではないでしょうか。包承包羞はおそらく蚕の種付けです。

疇離祉
 疇には等しく並んだ畝という意味があります。これは蚕棚のことでしょう。蚕棚とはタンスの骨組みのような物で、そこに蚕箔を差し込み、八寸(約20cm)くらい離して蚕箔を重ねていきます。このように省スペースで飼うことができるのも蚕の特徴の一つです。

休丕
 これは蚕が、脱皮する前に頭をもたげた状態で身体を一日中じっとさせる「眠」という習性を表しています。

其亡其亡
 蚕は脱皮するとき、まず身体の皮から脱皮し、身体の皮を脱ぎ終わると、頭に残った皮が自然にはげ落ちるという手順で脱皮します。ですので其れ亡び(身体が脱皮し)、其れ亡ぶ(頭も脱皮する)となるわけです。
 蚕は生涯に4回脱皮します。孵化した状態を第一齢と呼び、脱皮するごとに齢が増えて、第二齢、第三齢・・・となり、第五齢の時に繭を作ります。まれに5回脱皮して第六齢になることもあります。

繋于苞桑
 苞は群がるという意味ですので、桑の葉に蚕の幼虫が群がって一心不乱に食べている様子を表しているのでしょう。第五齢の蚕はそれはものすごい勢いで桑を食べます。

傾丕
 第五齢になって十分に太った蚕は、糸を吐いて繭を作ります。その時に頭を8の字状にクルクル回して器用に繭を作ります。傾ける丕とは頭を傾けて回して繭を作る蚕のことです。

先丕後喜
 喜とは太鼓の象形文字です。繭はよく太鼓にたとえられます。中空で膜が張っているところがそっくりですね。ですので、これは丕(蚕の幼虫)が太鼓(繭)になったことを意味しています。

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