易経勝手読み(四二)・・・風地観
九月五日
これは従来の解釈と本来の意味の間に齟齬がない卦です。白川静の字統では、観とは見ることで農耕儀礼に関する字と推測しています。爻辞には観其生とあります。生には姓という意味もあります。賓于王という句もあります。これは王を客神としてもてなすという意味です。
従って、観とは王が異族(外様の家来)の服属を確認する儀礼ではないかと考えられます。閲兵式と貢ぎ物を捧げる両方の意味があったのではないかと考えられます。
古代の大和朝廷が置かれていた奈良盆地の南部では、様々な土地からもたらされた土器や、祭器とおぼしき道具が出土しています。これなどは様々な姓(かばね)が大王への服属を確認するために、宮殿前に集まって、各部族の祭を開いていた痕跡ではないかと推測されています。
童観する
規観する
我が生の進退を観る
國の光を観る
王の賓を利用す
我が生を観る
其の生を観る
子供のように興味深く見る
本質を見抜くように窺う
他姓の部族を次々と謁見する
國の四方(よも)を見渡す
王を客神としてもてなす
他姓の神々を観る
部族の生活を観る
前半は王が自分の本拠地にいて異族の謁見を受ける場合、後半は王が異族の土地に出向いて饗応を受ける場合。そして真ん中に王が高いところに上ってする國見(くにみ)が配置されています。宮殿→國見→巡察というふうに外に出る配置になっています。
童観がよくわかりませんでした。観の前に置かれているので、連用修飾語のはずです。仮に子供のように観るとしました。
私の易経解釈では我は一人称ではなく神様と解釈します。それも王が信仰する天津神(あまつかみ)ではなく國津神(くにつかみ)です。風地観においても、この解釈の方が意味が通ります。
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