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2011年12月31日 (土)

易経勝手読み(六九)・・・辰為雷(震為雷)

十二月七日

 さて、最後の卦である震為雷の解説です。この卦は元々カワイルカを指す「辰」であり、雨冠は後世になって、八卦が発達し雷を易に取り込む必要性から付け加えられてものだと考えられます。

 辰為雷(震為雷)は古代の支那で霊獣とされていたカワイルカの生態を説明した卦です。

辰来たるとき虩虩たり
後に笑ひて言啞啞たり
辰来たりて億けば(なけば)貝を喪ふ
九陵に躋る(のぼる)
逐う勿かれ七日にして得む
辰は蘇蘇たり
辰行きて眚なし
辰は泥に遂む(なずむ)
辰は往来し億きても有事を喪ふなかれ
辰は索索視るは矍矍
辰は其の躬においてせず其の鄰においてす
婚媾言うこと有り

カワイルカは人がいないときにはグェグェと鳴き
人が近づくとアッアッと笑う
カワイルカが来ると貝が食べ尽くされる
水面から高く飛び上がる
七日間かけて縄張りを一周する
カワイルカは音を立てて騒がしい
カワイルカがいなくなっても災害の予兆ではない
カワイルカは泥の中に潜る
カワイルカが往来し鳴いても仕事を放棄してはいけない
カワイルカは綱のような細長いクチバシを持ち
 小さな眼できょろきょろと見る
カワイルカは群れをなす
人のように雄雌でつがいを作り
 添い遂げるとも言われている

 ヨウスコウカワイルカに関しては資料が少なく、外見や体色以外については完全な推測で書いていますので、このエントリーをもってヨウスコウカワイルカの生態の資料としては使わないでください。

 それと、現代の支那でもヨウスコウカワイルカとスナメリは混濁されており、スナメリのことをヨウスコウカワイルカと書いている記事があったりします。辰為雷(震為雷)の爻辞でも、ヨウスコウカワイルカとスナメリが混じり合っているのではないかと思われる箇所があったりします(泥に潜るなど)。

 「辰は往来し億きても有事を喪ふなかれ」だけは意味が全然分かりませんでした。素直に読むと、上で書いたように「カワイルカがやってきても仕事を放棄するな」となります。昔もイルカは人気があって、イルカが来たらみんなで仕事を放り出してイルカの見物に出かけたことを言っているのかもしれませんね(笑)

 今の華北では寒冷化して森林が後退したのと、あまりに人間が増えてしまい、耕作地と都市だらけになって自然が少なくなってしまいましたが、かつての中原には象がいて(雷地豫)、ワニが寝そべり(乾為天、坤為地)、イルカが泳ぎ(震為雷)、森林があり(沢水困)、井戸には清水が湧き出て(水風井)、山焼きができる(火山旅)豊かな自然があったことを易は知らせてくれるのです。

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コメント

あけましておめでとうございます。
今年はイルカ年ですね。

辰=イルカ=「後に笑ひて言啞啞たり」
なるほど!
ぺっちゃんさん、天才。
これはものすごい発見な気がします。

投稿: 武丸 | 2012年1月 2日 (月) 17時56分

ありがとうございます。

何とかヨウスコウカワイルカの資料を見つけてこの説を補強したいと思っています。

すくなくとも辰の原義が二枚貝でないことだけは確かです。

今年は「易経勝手読み」をまとめて本にしたいですね。

投稿: べッちゃん | 2012年1月 2日 (月) 19時37分

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