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2012年1月14日 (土)

四神は全て実在する生き物

 易経から支那の古代史についていろいろなことが分かってきました。龍がワニだと言うことや辰がカワイルカであることなど、想像上の生物とされていた生き物にもかつてはきちんとした根拠があったことが分かります。

 古代人は根拠のない妄想はしません。かならず現実を手がかりにして物事を考え、記述します。

 私が現在気になっているのは四神です。四神とは支那の想像上の生物で、方角の神様とされています。東が青龍、南が朱雀、西が白虎、北が玄武です。

 青龍は青い龍で川を表します。朱雀は鳳凰に似た赤い鳥で湖や海を表します。白虎は白い色のトラで大きな道を表します。玄武だけはどういう姿だったかは不明で後に亀に蛇が巻き付いた姿で描かれるようになりました。山を表します。

 おそらく西周の鎬京、もしくは東周の洛陽の地勢が理想的な都城の立地条件として伝説化したのだと考えられますが、この配置には科学的な根拠があるという説もあります。日本の平安京や江戸もこれによく当てはまることが知られています。

 南側が開けていれば当然日当たりが良くなります。北側に山があると雨が降って水源になるでしょう。大きな川は上下水道になります。南側に湖沼があることは、北側に豊富な地下水があることを意味します。また湖沼は生活排水を処理してくれます。

 道は別にどの方向に付いていなければならないと言うことはないでしょうが、勤務先は住居の東側にする方が良い(勤務先から西側に住むと良い)という言い伝えがあります。なぜなら、朝日を浴びながら出勤し、夕日を見ながら退社できるので、体のリズムが整えられて精神安定上良いからです。

 西側に道があれば自然とその都市に行く人は朝日に向かって進み、その都市から出て行く人は夕日に向かって進むので、その都市に対して好意的な印象を抱くはずです。

 さて、青龍は当然大きな川に住むワニで、白虎はホワイトタイガーとも言われていますが、私はモンゴルやチベット(支那の西です)の山岳や平原に棲息するユキヒョウだと思います。

 朱雀は極楽鳥とも言われていますが、古代人というのは具体的に物事を考えますので、赤くて大形の鳥だからフラミンゴではないでしょうか。今でもインドにはフラミンゴが棲息していますので、かつては支那の南部にもいたのではないでしょうか。フラミンゴは湖や干潟に棲息しますので四神相応にもぴったりです。

 最後に玄武だけが残ります。支那の北部の山に住む黒くて(玄)、無骨なイメージの生き物と言うことになるはずですが、よく分かりません。

 これによると、満州には一万年前はマンモス、バイソン、ヘラジカなどの大型哺乳類が棲息していたらしいので、マンモスのことかもしれません。

 しかし青龍=は虫類、朱雀=鳥類、白虎=哺乳類で、なんとなく形の異なる生物を選んでいる傾向があるので、玄武は両生類か虫を当てはめたいところです。後世に玄武は亀に蛇が絡みついた姿で描かれるようになりますが、これは玄武が水に関連する生き物で、手足がなくて長い蛇のような形、あるいは亀のようにずんぐりむっくり(相互に矛盾していますが)という特徴だけは伝わっていたからそういう想像図ができたのではないでしょうか。

 そこで気がついたのですが、満州のさらに北にあるバイカル湖にはバイカルアザラシという、淡水に生きる小型の可愛いアザラシがいます。

 アザラシは真っ黒色(玄)です。長い体なので蛇のようでもあり、手足が短くて丸っこいので亀のようでもあります。現代人にとっては哺乳類ですが、古代人にとってはなんだかよく分からない生物に見えたでしょう。両生類のオオサンショウウオの仲間とでも思えたのかもしれません。

青龍=東=長江、淮河=ヨウスコウアリゲーター=大河
朱雀=南=インド、インドシナ=フラミンゴ=湖沼
白虎=西=チベット=ユキヒョウ=通商路
玄武=北=満州、シベリア=バイカルアザラシ=蒙古高原、大興嶺山脈

 ではないかと思うのです。日本人は比較的植物や魚に強い興味を抱いてきた民族なのですが、支那人は昔から動物に強い興味を抱いてきた人達のようです。朝貢してきた異民族にもよく動物を下賜していますし、あるいは鄭和の大遠征のように遠くから珍しい動物を集めています。清朝の宮廷には動物園があったそうですし、今でも朱鷺やパンダの繁殖に成功するなど、昔から動物の飼育には定評があります。

 珍獣を世界中から集めたのは皇帝の徳は全ての生き物に及ぶからと言うことなのでしょうが、皇帝など影も形もなかった易経にも動物の生態がいろいろと載っていますので、もっと古くからの根本的な民族の好みのような気がしてきます。

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コメント

初めまして。
独断と偏見ですが、玄武はビーバーがモデルでしょう。北の寒い場所に生息し、鱗のある尻尾があり、巨大な巣を作るのでそれが蛇に見えたのでしょう。そして出入りするために亀に見えたのでしょう。

misa様こんにちは

なるほど、ビーバーですか、その可能性もありそうですね。

ビーバーは近世までは欧州には普通に見られた生物らしいですね。

問題は3前年前に東シベリアにビーバーがいたかどうかですね。

そして中央の麒麟のもしくは黄龍、北京近郊の生物なら、前者は四不像(シフゾウと読む。顔は馬、蹄は牛、尾はロバ、角は鹿)でしょう。そして黄龍はチュウゴクオオサンショウウオ(日本のオオサンショウウオよりは小柄。)でしょうか?そして朱雀はフルーツバット(オオコウモリ英語名はFlying Fox)でもありそうですが、空狐(クウコ。3000年生きた狐。野狐と違い人を欺かない吉祥の象徴)としても捉えられたかもしれません。尻尾がないことと、鳥獣を捕食しないためなおさら。

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