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2012年1月 1日 (日)

十二支の秘密(一)・・・寅卯辰巳

十二月八日

 お正月なので十二支に使われている漢字の本来の意味について考えてみたいと思います。十二支の漢字は子丑寅卯辰巳午未申鳥戌亥の十二文字、それぞれ動物が当てられています。ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・いは大和言葉でして、それぞれの動物を漢字で表すと鼠牛虎兎龍蛇午羊猿(猴)鳥犬豚(猪)となります。これらの動物を表す漢字は、詩経や春秋にも出てきますので、春秋戦国時代から変わっていないとされています。

 十二支には動物が当てられているけれども漢字は動物とは関係のないことは、すでに漢の時代には明らかになっていました。そのため陰陽五行説や植物の育ち方などからの説明が試みられてきましたが、どれもしっくりきません。甲骨文字と金文の研究によって子卯巳午酉戌については意味が明らかになりましたが、丑寅辰午未申亥については現在でも諸説入り乱れています。

 十二支の本来の意味は白川静が「字統」その他で触れているように、祭祀に関わる神様や犠牲の動物や祭具だと私も思います。子卯巳午酉戌については従来の甲骨文字の解釈や白川静の解釈に私は賛成ですが、残りの丑寅辰午未申亥については、独自の解釈を持っています。では四回に分けて十二支の新解釈をご説明してみたいと思います。

 まずはイメージしやすい「寅卯辰巳」からいきましょう。この四文字は、神様に捧げられる犠牲の動物です。

 寅と卯は犠牲を肉の処理の方法で分類した字です。寅は易経勝手読みの艮為山でみたように吊るされた丸鳥、ローストチキンです。

 「卯」は「字統」では「真っ二つに両断された動物の肉」と解釈されています。卯を旁に持つ字は他には茆や昴があります。卯に草冠をつけた「茆」はジュンサイ、これは三日月形の水草です。ジュンサイが生える沼では、季節になると水面全体がジュンサイで埋め尽くされます。

 上に日が付くと、ご存じ冬の星空に輝く「昴(すばる)」となります。昴は小さな星が集まった星団です。このように卯を旁に持つ茆や昴には「小さい物がちらばる」という意味がありそうですので、「卯」も一刀両断と言うよりは、「切り刻まれた肉」と解釈した方が良さそうです。

辰は震為雷でみたようにカワイルカ、巳は「字統」にもあるように蛇です。巳だけは唯一十二支と漢字の間に対応関係があります。

 ただし多少ややこしいことに、金文の時代には十二支の巳は子という字で表されていたそうです。その代わりに十二支の子はもっとややこしい絵のような文字が使用されていました。

 甲骨文字と漢字の関係です。

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  狩でしとめた動物を神に捧げるのは世界中で一般的な風習です。寅と卯は動物の犠牲の捧げ方を現しているのでしょう。おそらく鳥と鹿や猪など山の幸のことを意味しているのだと思われます。

 イルカと蛇は食料であると同時に神聖な動物でした。それに両方とも水の神様とされてきました。辰巳は水の神様のお使い、あるいは水の解様へのお供え物を意味しているのでしょう。

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