西周の滅亡と秦の正体
閏三月十日
戎は通常西方の異民族を意味します。西周は魯や斉に命じて東夷・淮夷(日本人やベトナム人の祖先)を征伐して東方に領土を広げ、晋に命じて北方の遊牧民(匈奴・モンゴル人の祖先)を征伐して北方に領土を広げ、鄭に命じて南方のジャングルを開発させていました。
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閏三月十日
戎は通常西方の異民族を意味します。西周は魯や斉に命じて東夷・淮夷(日本人やベトナム人の祖先)を征伐して東方に領土を広げ、晋に命じて北方の遊牧民(匈奴・モンゴル人の祖先)を征伐して北方に領土を広げ、鄭に命じて南方のジャングルを開発させていました。
春の受勲では台湾から四人も選ばれました。しかも結構高い勲章が授与されている。
自衛隊の南西諸島シフトは着々と進んでいるし、米軍も日本全土にくまなく配置されるようになるそうだし、民主党政権で着々と進む中共封じ、中共にとっては訳が分からないだろうな。
こうしてみるとやっぱ自民党は親中政権だったのかしら?
民主党の親中派は例によって、親中を形にする方法を知らないのでしょう。政治のたがが外れた今の日本の政策は官僚の意向がダイレクトに反映されているのではないかと私は思っているのですが、景気を無視した大増税、中国に対するタカ派的防衛政策に外交、なりふり構わぬ原子力発電再開、日本の官僚というのはかなりアグレッシブでタカ派だというのが見えてきました。戦前とあんまり変わらないのかもしれません。
国家利益を追求する「働き者」の官僚を自民党は押さえて、国民の所得上昇と、近隣諸国との融和の方向に国を持って行っていましたが、その軛が外れた今、日本はどの方向へ進むのでしょうか。
閏三月九日 【昭和の日】
孟子は王朝の交代を容認する危険思想という眼で見られることが多いですが、孟子が許容する支配者の交代は数百年に一度きりの異常事態で、それ以外の場合は孟子は君主を擁護しています。そして孟子は世の中を安定させるためには階層の固定が不可欠としています。
君主に不断の努力を求めたのは荀子です。荀子が支配層に嫌われ、孟子が好まれたのは、荀子の言うことの方が耳が痛いからです。
閏三月八日
杕杜は征夫(防人)の帰りを待つ妻の悲しみと兵役を終えて帰ってきた喜びを歌う詩とされています。しかしそれだけでは詩に何度も出てくる有杕之杜との関連が分かりません。
従来の詩経解釈では、意味が不明の語句があるとすぐにこれは「興」である「比」であるという分かったような分からないような理屈で逃げていました。興や比というのは和歌で言う枕詞や縁語のような物で、ある言葉を導き出すための、常套句ですが、果たしてそのような物が本当に古代の中国にあったのでしょうか。
詩経勝手読みでは、詩経を読むときの逃げ道である興と比を封じて理詰めで分析をしていきます。
閏三月五日
出車は南仲という武将が異民族の玁狁に勝利したことを讃える歌とされています。私もこの解釈に基本的に反対ではありませんが、第五聯と第六聯の解釈に異論があります。そして、この部分をどう解釈するかによって、第一聯から第四聯までの内容も若干変わってきます。
詩経を理解するのに特別な知識は必要ありません。詩経の詩は、丹念に言葉の前後関係を追い、修飾被修飾の関係を整理し、文字の古い意味を調べれば、理解できるようにできています。
閏三月二日
曲直を正すのでもなく、治乱を治めるのでもなく、人道を正すのでもなければ、いかにその言説はもっともらしく巧みであっても、人々に何の利益ももたらさず、また全然働きをなしえなくても少しも人に損害を与えない。
しかるに、このことを知らずにただもっぱらこの無用な怪説を唱え詭弁を弄して互いに擾乱しあっているだけである。
三月三十日 【穀雨】
玁狁の文字が間違っていたので修正。
采薇は詩経の中でも最も美しい詩とされています。従来の解釈では、これは玁狁という遊牧民の侵入によって、西周が衰亡したことを嘆いた歌とされてきました。美しい憂国の情というわけです。いかにも朱子学らしい解釈です。
采薇に何度も出てくる薇は「わらび」と解釈されてきました。遊牧民の侵入によって、田畑が荒れて人々は蕨(わらび)を食べることを余儀なくされたことを嘆いているというわけです。
しかしお気づきの人もいるでしょうが、薇の本来の意味は漢文の中でも薔薇(イバラ)です。そうでないと第一聯から第三聯にかけて出てくる「止」や、第四聯の「華」、そして第五聯の「棘」が理解できません。
薔薇は女性を連想させます。
さらに玁狁(けんいん)にも検討の余地があります。
三月二十八日
現代語の本はもう読みたい物がなくなったので(暇つぶしに読んだら楽しそうな本は多いのですが、あいにくその暇がないので、どうしても読みたい本だけを厳選して読んでいます、荀子とか詩経とか・・・)ちょうど今読んでいる下りが現下の日本の世相にぴったりだったので現代語訳を載せます。
三月二十六日 【土用】
皇皇者華は皇、華、という華やかな字面から王の直臣が四方八方に命令を帯びて馬を駆けさせる様子とされています。各聯の最後の文字には咨・諏・謀・度・詢という文字が並んでおり、いずれも難しいことを相談するという意味なので、いかにも王に信頼された側近が密命を帯びて四方に散るというイメージです。
しかし、この詩は馬の調教師の競技会の様子を歌った詩です。我馬維○というパターンが続いていますが、維とは何かを紐に繋ぐことです。つづいて六轡□△というパターンが続きます。轡は馬を操縦するために馬に噛ませるハミと手綱を意味する字です。
○には馬偏の漢字が並んでおり、従来はこれを様々な毛色の馬と解釈してきましたが、旁の方を調べてみると、色と言うよりは形を表していることが分かります。そして□△も形や状態を表す字が入っていますので、これは六頭の馬を複雑な形に整列させて走らせる技を競う競技を描写した詩です。咨・諏・謀・度・詢は審判団の採点です。
この場合乗馬ではなく、戦車に馬を繋いでひかせる馬術であることは言うまでもありません。
三月二十五日
易経の分析では普通の漢和辞典が大いに力を発揮しました。どうやら西周や商の時代と現在の漢字の間にはあまり意味に差はなく、別に摩訶不思議な呪術体系を想定しなくても、三千年前の古代中国世界を解明することは可能であるようです。
それが分からなくなっているのは「儒教の聖典にナゾナゾのような不真面目なことが書いてあるはずがない」とか「まさか龍が実在したはずがない」とか「古代中国とメソポタミアの間に交流があったはずがない」という思い込みが邪魔しているからです。
そういった思い込みをなくせば、学者でなくても漢和辞典一本で易経・詩経・書経・礼記といったこれまで難解とされてきた聖典を理解することは可能です。
三月二十三日
例によって総合的見地に立った上での勘ですが、今回の北朝鮮のミサイル騒動はおそらく北朝鮮流のペレストロイカです。外国メディアの取材が許可されたことの意味を見過ごすことはできません。
だからといって北朝鮮に甘くする必要はないと思います、日本を含む海外のメディアは大いに騒いで北朝鮮のことを報道してやり、発射したらしたらで制裁を強化すればいいと思います。
騒ぎが大きくなるほど北朝鮮内部と外国人との接触が増え、制裁が強化されれば北朝鮮の大概強硬派が窮地に立たされることになります。
三月十九日
スノーボールアース仮説という地球物理学の学説があります。
これは氷河期の超強力バージョンで、地球が南極北極だけではなく赤道まで雪と氷に覆われる状態になることです。古地磁気記録から赤道付近にあったと推定される地層でも氷河の痕が見つかることがあり、従来から謎とされていました。
三月十七日【望】
易経勝手読みシリーズの書籍版が脱稿し、印刷会社に出してきました。4月20日頃にできあがるそうです。
5月5日(土)東京ビッグサイトのCOMITIA100にて発売します。
5月5日(土) 有明東京ビッグサイト
COMITIA 100 スペースNo.す13b サークル桜小径
本の名前は「やさしい易」にしました。本文はちょうど200ページ、A5版,販売価格は1,000円を予定しています。
通信販売も受け付けます。ご希望される方は以下の私のアドレスまでご住所と部数をご連絡ください。本代と送料手数料合わせて1,300円を予定しています。支払いは同封の郵便振込用紙で振り込むようになります。
zbn12303@nifty.com 安部(べっちゃん)
挿絵を急いで鉛筆画にしたため、多少絵に汚れやかすれがありそうなのですが、今までにない易経の解説書ができたと思っています。興味のある方は是非お買い上げください。
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