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2012年8月11日 (土)

詩経勝手読み(三五)・・・都人士

 都人士は菀柳同様に時流に乗り切れない人が、都の繁栄にケチを付けている詩です。狐裘(狐の柔らかい毛で織ったコート)、臺笠(背高帽子)、琇實(宝石のピアス、耳飾)、垂帶而厲(ピカピカに磨いたベルト)、卷髮如蠆(サソリの尾のような髪型)、豪華絢爛なファッションが読み込まれています。しかもこのファッションには西洋の香りがします。成周は国際色豊かな都市だったようです。

 豊かで栄えた都市の中でこの詩人はうだつが上がらず、取り残されたような思いをしています。けれども口に出して非難はしません。これは贅沢ではなくて、ちょっとベルトが長いだけだ、髪の毛が盛り上がっているだけだと自分を納得させようとしています。

彼都人士 都人たちは

狐裘黃黃 黄色い狐毛のコートを着て
其容不改 贅沢を止めず

出言有章 言葉を飾る
行歸于周 成周の街路を行き来する

萬民所望 万民の羨望の的

彼都人士 都人たちは

臺笠緇撮 高い帽子と黒い髻(もとどり)
彼君子女 紳士淑女が

綢直如髮 髪の毛のようにびっしりと集う
我不見兮 私はそこから目をそむける

我心不 私の心は楽しめない

彼都人士 都人たちは

充耳琇實 宝石の飾りで耳を満たす
彼君子女 紳士淑女は

謂之尹吉 これを良いことだという
我不見兮 私はそこから目をそむける

我心苑()結 私の心は恨めしく思う

彼都人士 都人たちは

垂帶而厲 ピカピカのベルトをたらす
彼君子女 紳士淑女は

卷髮如蠆 サソリのように髪を結ぶ
我不見兮 私はそこから目をそむける

言從之邁 この時流に従おう

匪伊垂之 これは垂らしているのではない

帶則有餘 ベルトの余分な部分がちょっと長いだけだ
匪伊卷之 これは巻いているのではない

髮則有旟 髪の毛が盛り上がっているだけだ
我不見兮 私はそこから目をそむける

云何盱矣 あえて不平を言ったりしようか

 儒教的な解釈をすると、華美に流れる時流に対する諦めの詩ということになるのでしょうが。ただ単にうだつの上がらない男が負け惜しみを言っているだけではないかと思います。

 それよりも詩で読み込まれている西洋風のファッションの方に興味があります。週はインダス、ペルシャ、メソポタミアと交流を持っていたことが推測されるからです。

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