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2012年8月15日 (水)

詩経勝手読み(三六)・・・采綠

 采綠は草摘みや釣りをして、祭祀のお供え物をそろえる詩とされています。しかし私は易経同様にナゾナゾの詩なのではないかと思います。

終朝采綠 朝から晩まで草を摘んで

不盈一匊 一掬いに満たない
予髮曲局 私の髪は曲がりくるまっています

薄言歸沐 草むらに帰って水浴びをするといわれています

終朝采藍 朝から晩まで藍を摘んで

不盈一襜 ひざ掛けを満たすこともできません
五日為期 五日を期限として摘んでも

六日不詹 六日目になっても二石も摘めません

之子于狩 この子は狩りをする時

言韔其弓 弓を張るのでしょうか
之子于釣 その子は釣りをする時に

言綸之繩 糸を垂れるのでしょうか

其釣維何 何を釣るのでしょうか

維魴及鱮 オシキウオとタナゴ
維魴及鱮 オシキウオとタナゴ

薄言觀者 私は草むらにいるというコウノトリ

 第一聯と第ニ聯では、草摘みをしても全然はかどらないと言っています。これはこのナゾナゾの主が肉食であることを指しているのでしょう。あるいは手がないという意味かもしれません。

 第一聯の「薄言歸沐」草むらで水浴びをするという意味です。このナゾナゾの主は湿地に住んでいるようです。

 第三聯では、ナゾナゾの主は狩や釣りをするとあります。「言韔其弓、言綸之繩」はおそらく疑問・反語であり、弓で狩りをするのでしょうか(いいえしません)、縄で釣りをするのでしょうか(いいえしません)という意味ではないかと思います。ナゾナゾの主はハンターだけれど、道具は使わないようです。

 第四聯では一般的な淡水魚を好物とすると言っています。オシキウオとタナゴですので、手のひらくらいの大きさの魚です。このあたりで、このナゾナゾの主が湿地に棲息する鳥ではないかという推測が立ちます。

 最後の句に答えが出てきます。薄には草むらという意味があります。觀(雚)にはコウノトリという意味があります。「薄言觀者」は湿地の草むらに生息するコウノトリという者ですとなり、このナゾナゾ詩の答えがコウノトリであるということがわかります。

 コウノトリは湿地に棲息する大型の鳥です。肉食、大食で有名です。魚や虫や蛙や蛇を大量に捕まえて食べます。この詩の内容とだいたい合います。コウノトリは中国でも幸運をもたらす鳥として大事にされてきました。

 コウノトリは草むらをつついて獲物を探します。これが草摘みの動作に似ているので、第一聯と第ニ聯で草摘みが出てくるのでしょう。けれどもコウノトリは肉食ですので、一日中草むらを歩き回っても一掬いの草も集められません。

 コウノトリは道具を使わずに狩りや釣りをします。好物はオシキウオやタナゴといった中型の魚です。

 この詩は一種の童謡ではないでしょうか。

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