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2012年8月 1日 (水)

易経勝手読み(三二)・・・采菽

陰暦 六月十四日

 采菽は周王が諸侯を謁見する際に流れた歌ではないかとされています。私も基本的にその考えに賛成ですが、各聯の一行目と二行目の「興」と呼ばれる部分の位置づけが多少異なります。

 菽(豆)摘みも泉もクヌギの葉が茂ることも、全てめでたいしるしであるという分かったような分からないような解説が従来はなされてきました。そして第三聯の赤い腰絹と第五聯の楊船(細長い丸木舟)については意味が不明と言うことにされてきました。

 古代人は必ず具体的な事物を使って抽象的概念を表現します。古代人は表現をする際に、繰り返しや韻を踏むのが好きですが、無駄な言葉は一切使いません。彼等が使う言葉には必ず意味があります。

 采菽の各聯の一行目と二行目に歌われている物は全て細長い物です。采菽(エンドウ豆)、芹、赤芾(フンドシ)、維柞之枝(クヌギの雄花)、楊舟(丸木舟)、これら全て細長い物です。

 細長い物を並べることで、王の治世が長く続くように祝ったのでしょう。単純明快な詩と言えます。

采菽采菽 (細長い)エンドウ豆を摘んで
筐之筥之 竹籠いっぱい集める
君子來朝 諸侯が朝廷にやってきた
何錫予之 これに何を与えよう
雖無予之 もう与える土地はないが
路車乘馬 立派な馬車や馬が良いか
又何予之 それとも何を与えようか
玄袞及黼 美しい刺繍を施した黒い衣だろうか

觱沸檻泉 滾々と湧き出る泉の周囲に柵のように生えるという
言采其芹 (細長い)芹を摘もう
君子來朝 諸侯が朝廷にやってきた
言觀其旂 (周王が)諸侯の旗印をご覧になる
其旂淠淠 その旗は王が下賜した物
鸞聲嘒嘒 旗先の鈴がリンリンと鳴る
載驂載駟 四頭立て、三頭立ての馬車に乗って
君子所屆 諸侯がやってくる

赤芾在股 股に巻く赤い下着
邪幅在下 余計な部分を下に垂らす
彼交匪紓 王と諸侯の交わりは緊密で
天子所予 天子様からの封地に
樂只君子 諸侯は楽しむ
天子命之 天子様が命令をされると
樂只君子 諸侯は喜んで従う
福祿申之 福がどんどんと伸びる

維柞之枝 クヌギの枝に垂れている
其葉蓬蓬 たくさんの雄花のように
樂只君子 満足されている諸侯は
殿天子之邦 天下の守りである
樂只君子 満足される諸侯に
萬福攸同 福は次々と集まっていく
平平左右 左右の郎党たちは
亦是率從 諸侯に付き従う

汎汎楊舟 水に浮かぶ柳の葉のように細い丸木舟 
紼纚維之 これが連なるように長く
樂只君子 満足される諸侯は
天之葵之 天の組織
樂只君子 満足される諸侯に
福祿膍之 福が厚く集まる
優哉游哉 優雅な謁見の旅(参勤交代)をし
亦是戾矣 また領地に帰っていく

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