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2012年9月 5日 (水)

詩経勝手読み(四二)・・・何草不黃

 小雅魚藻の後半は星座の詩でした。最後を飾る何草不黃は何を歌った詩でしょうか。空に輝く太陽と月です。

 何草不黃の第一聯から第三聯だけを読むと兵隊さんが苦しい遠征に出かける防人歌のようにも見えますが、それでは第四聯が理解できません。また漢文は能動と受身の区別が付きにくいのですが、この詩を素直に読むと、征夫は実は兵隊ではなくて、兵を率いる指揮官のように読めます。

 この詩は、世界を経営する偉大な人(もの?)なのに、毎日働かされて大変ですね、という風に読むのが自然です。そこで従来の理解の仕方では行き詰まってしまいます。

 しかし、これは戦役の詩に見えて実はそうではなく、絶え間なく運行する太陽のことを讃える詩と仮定すれば素直に理解ができます。第一聯は太陽が黄色をしていること、第二聯は皆既日食で太陽が真っ暗になること、第三聯は太陽が休みなく運行することを表現しているのでしょう。

 そして第四聯は月を表しています。繁る狐(弧?)とは月が三日月から太っていって満月になることを、幽草とは月のぼんやりした光を表現しているのでしょう。周道は大東で出てきたように、太陽の通り道である黄道のことでしょう(正確に言うと月が通る道は白道)。

 天体を歌った一連の詩の最後を飾るに相応しい詩です。

何草不黃 全ての草が黄色をしている(太陽)
何日不行 仕事に出ない日はなく
何人不將 全ての人を率いる
經營四方 世界を経営する偉大な方

何草不玄 全ての草が黒くなる(日食)
何人不矜 全ての人がそれを悲しむ
哀我征夫 将軍様は大変だ
獨為匪民 たった一人で庶民にはできない仕事をこなす

匪兕匪虎 サイでなく、トラでもない
率彼曠野 広い荒野(天)を統率する
哀我征夫 将軍様は大変だ
朝夕不暇 朝から夕方まで休むことがない

有芃者弧 膨らむ弧(月)
率彼幽草 ぼんやりと光る草を率いる
有棧之車 手すりのある車(三日月?)で
行彼周道 太陽の通り道を歩む

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