2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 天地明察 | トップページ | 詩経勝手読み(四九)・・・何彼襛矣・野有死麕その一 »

2012年9月26日 (水)

詩経勝手読み(四八)・・・江有汜

 江有汜は女に捨てられた男の歌とされていますが、子は男性につく敬称なので、男に捨てられた女の歌と解釈するべきでしょう。

 汜は本流から分離して再び合流する川筋で、渚には波が寄せては返ってきます。両方とも「帰ってくる」ことの縁語です。男の寵愛を失った女性が、再び男の愛が戻ってくるようにとこの二つの文字に気持ちを込めているのです。

 末尾の其嘯也歌は嘆きを歌にするという意味ですが、前の小星と合わせて解釈するに、これは鄭の後宮で公の寵愛を争った女性たちが詠んだ歌なので、嘆きを歌にすれば、近くを通りかかった公にこの気持ちが届くかもしれないと微かな希望を込めているのだと思います。

 後宮に生きた女性たちの悲哀が伝わってくるような詩です。

江有汜  本流から別れてまた合流する川筋のように
之子歸  あの人に帰ってきて欲しい
不我以  私ではない人を愛して
不我以  私ではない人を愛して
其後也悔 いつか後悔させてやる

江有渚  渚に寄せ返る波のように
之子歸  あの人に帰ってきて欲しい
不我與  私ではない人と一緒
不我與  私ではない人と一緒
其後也處 そのうち厭きるでしょう

江有沱  大河のような涙
之子歸  あの人に帰ってきて欲しい
不我過  私ではない人と過ごして
不我過  私ではない人と過ごして
其嘯也歌 嘆きを歌に乗せて聴かせたい

« 天地明察 | トップページ | 詩経勝手読み(四九)・・・何彼襛矣・野有死麕その一 »

易経・春秋・漢字」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 詩経勝手読み(四八)・・・江有汜:

« 天地明察 | トップページ | 詩経勝手読み(四九)・・・何彼襛矣・野有死麕その一 »