詩経陳風
詩経国風の解明も陳風までたどり着きました。残すところあと二十数篇。
陳というのは現在の河南省南部にあったとされる国で、南国の楚と境を接していました。
しかし私が分析したところ、陳風は殷(商)の遺民が建てたとされる国、宋の祭事詩です。陳風に出てくる宛丘とは新鄭の宛陵と考えられます。鄭は殷の都の上に町を作りました。
詳しくはいずれ詩経の本を出すのでそれに譲るとして、その陳風には鷺の羽根を持って舞い踊るという詩があります。殷墟からは鳥を形取った青銅器が多数出土しており、殷は鳥のトーテムを信じていたのではないかという説があります。
また衡門(横木をさした門)の周りで若い男女が歌垣をする詩もあり、前の詩が鳥に関することを歌っていたことと合わせ考えると、これは日本の鳥居に似たモニュメントを中心に、盆踊りをするような祭を詠んだ詩と考えられます。
白鷺の踊りなど、山陰の祭を彷彿とさせます。
陳風は古代の殷と日本の関連を窺わせる興味深い編です。
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