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2012年10月24日 (水)

詩経勝手読み(五六)・・・擊鼓その三

 犬戎に滅ぼされた衛が国を再建できたのは、宣姜が持つ華麗な血縁関係のおかげでした。

 懿公は戦死したため、残された公子の申が衛公として立ち、難民をまとめて黄河を渡って避難し、諸侯の助けを得て曹の地に衛を再建しました。これが戴公です。彼もまた宣姜の息子です。

 覇者として有名な斉の桓公は衛の公女を母としています。衛の再建への力のいれようから、宣姜と桓公は同母姉弟と推測されます。桓公は衛が曹の地に国を再建する際に大量の物資を与え、兵士を出して曹を守護しました。

 犬戎に追われた衛の難民が黄河を南に渡るのを手伝ったのは宋の桓公です。桓公の妃は宣姜の娘でした。桓公に率いられた宋軍は危険を冒して夜間に黄河を渡り、黄河を渡る難民を犬戎から保護しました。

 許の穆夫人はご機嫌伺いの詩が残っているだけですが、衛の敵国である鄭と許は争っており、今回も許は鄭の牽制をしていたのかもしれません。

 詩中に出てくる孫子仲は、斉桓公の外交官であった仲孫湫です。桓公の腹心として有名な菅仲は内政を見ていました。桓公が主催した会盟を実際に運営していたのは仲孫湫と推測されます。

 戴公は一年で死んでしまったため、斉に避難していた公子燬が衛に呼び戻されて衛公になりました。これが文公です。彼も宣姜の息子です。公子燬は衛の内紛を避けて、早くから宣姜の実家の斉に逃げていました。

 おそらく擊鼓は戴公が弟の公子燬を斉から呼び戻した詩です。

擊鼓其鏜 太鼓や銅鑼を叩き
踊躍用兵 犬戎の兵が踊るように攻めてきた
土國城漕 国を移し曹の城を築いた
我獨南行 私は一人で南に渡った

從孫子仲 あなたは斉の仲孫湫に付き従い
平陳與宋 陳と宋を味方に付けてくれた
不我以歸 しかし私ではない人に従っている
憂心有忡 そのことに私の心は憂える

猨居猨處 我らは猿の住み処のような粗末な家に住んでいる
猨喪其馬 猿だから馬すらない
于以求之 物資が欲しいと願ったら
于林之下 木の下に届けられた(斉の援助のこと)

死生契闊 一緒に生きて死ぬと誓った
與子成說 あなたと一緒であればどれだけ嬉しいか
執子之手 あなたと手を取り合い
與子偕老 一緒に老いていきたい

于嗟闊兮 ああ生きたい
不我活兮 私以外の人と生活している
于嗟洵兮 ああ涙が流れる
不我信兮 私ではない人を信じている

 これは戴公が斉を動かしてくれた公子燬に感謝しつつも、帰ってきてくれるように懇願した詩ではないかと思います。

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