今年の振り返り
【陰暦】十一月十八日
平成二十四年も暮れようとしています。
私にとって大変に変化に富んだ一年になりました。
(1)易経
まず今年最大の成果は「やさしい易」を出版できたこと。私が初めて易に触れたのは平成二十年(2009)で、その頃は面白半分で身の回りのことや政治経済のことを占っていました。良く覚えていませんが2ちゃんねるの「運スレ」の三文易者さんの書き込みに触発されてのことだったと思います。
元々漢文は好きで、白川文字学にもはまっていたこともあり、従来の易経解釈に問題があることに気がつきました。易経の爻辞が6種くらいのパターンに分かれることは明確で、複数の著者によって上書きされた書物を、文体から編纂過程を復元していく旧約聖書の分析で使われている手法を適用して分析してみました。
漢文でも書経の分析にはこの手法が使われており、書経には殷末周初まで遡る可能性がある部分と、漢代以降の付け足しがあることが判明しています。
これによって、易経には複数の原典があり、易経の編纂者はその原典から、易に当てはまる文章を拾ってきて易経を作ったことがハッキリしました。別々に配分されているが、同じ原典と考えられる爻辞をつなげてみると、意味が通る部分が複数見つかり、これを手がかりにして易経の解読をしていきました。
解読していくうちに、どうやら易経の核となる部分は、白川文字学が適用できるくらいに古く、もしかしたら東洋最古の書物である可能性が出てきました。漢字にまだ篇(へん)がなく旁(つくり)だけだった時代の、漢字の使い方でないと解釈できない爻辞が複数見つかったのです。
また、どう考えてもナゾナゾとしか思えない爻辞が半分以上あり、書かれていることも動物とか天体とか歴史上のヒーローとか子供が喜びそうな話だったので、易経は本来は子供向けのナゾナゾ集だったのではないかという仮説を立てました。
このブログで発表をしたら、何人かの方に褒めていただけたので、64卦の解読に取りかかりました。一通りできたのが、2011年末。そこから書籍用に書き直したり(結局4分の1くらいの卦はブログとは異なる解釈が必要になりました)挿絵を描いて、今年の春に完成させることができました。おかげさまで15冊売れ、国会図書館へ納本することもできました。
アカデミズムからはすぐには認められないでしょうが、私はこれが三千年間隠されていた易経の真の姿を解明する突破口になり得ると信じています。
(2)詩経
易経の分析が一段落したので、詩経に取りかかることにしました。本当は易経よりも先に詩経を解明する予定で、本も先に買っていたのですが、ちんぷんかんぷんで3年前に挫折していました。
詩経の解読は、易経で使った、漢字の古い字形を当てはめてみる、がとても有効で、これによっていくつかの詩が解明できました。
そして読み進めていくうちに、詩経小雅は儒教道徳とは全く関係がなく、むしろ素朴な民間の詩の方が多いことが分かってきました。儒教から自由になると、詩経の真の姿がハッキリしてきました。半分近くは恋の詩であり、苛斂誅求を批判する詩も複数ありました。あるいは農村の祭や天文の詩もたくさんありました。
さらに、西周が思っていた以上に西洋と交渉があり、領土も広大で、強力な王朝であった可能性が出てきました。まだ整理できていませんが、西周の支配階級には西洋の影響が非常に強く出ており、逆に西周の被支配階級の生活は東夷の文明そのものであり、中国文明の誕生過程は大幅な変更が必要になるのではないかと考えています。
詩経の本を作るにはあと5年かかると考えています。
(3)仕事
今年は入社以来8年間在籍した部署から、別の部署に異動しました。これまでは一人でコツコツ調べ物をすることが中心でしたが、現在の部署は人と交渉することが主業務なので、私の生活もがらりと変わりました。
これは私に非常に好影響を与えています。人と付き合っていると、仕事は大変でも、ハリがあるので、やっていけます。もちろん同僚とカウンターパートの人達に誠実な人が多く、慣れない私を辛抱強く指導してくれた御陰であるのはもちろんです。
今年はインターネット活動は低調でしたが、それは仕事の方が充実していたからです。
来年は自分の仕事のやり方を整理して効率的にし、とにかく目先のことを片付けるだけで精一杯だった今年一年の状況から、新しく何かを始める一年にしたいです。
(4)囲碁
会社の囲碁部の試合で初めて優勝し、初段になりました。来年は勝てる碁が打てるようになりたいです。
(5)その他
鉄道趣味はJRの乗車率96%に到達しました、三陸海岸以外は来年中に乗り潰しができると思います。
色々あって2009年から漫画制作が中断状態だったのですが、それも再開できました。仕事が無茶苦茶忙しいのに不思議ですね。出版社への持ち込みで、アドバイスを受けて非常に勉強になりました。これを参考に、今度こそは読んでもらえるマンガを描きたいです。
婚活は・・・プライベートすぎるし相手がいることなのでノーコメント。
(5)まとめ
大学を出てから10年。長い模索の結果がようやく出た一年だったと思います。来年は公私にわたり人との交渉を増やし、自分を表現する年にしたいです。
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コメント
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べっちゃんさん こんにちは。
お久しぶりにコメントさせていただきますm--m
今年は「やさしい易」ですね^^
どっぷりハマって読みました。
何度読み返しても面白く、飽きないです。
詩経は五年後との事ですが、楽しみにまっております。
夏殷周の三代は謎が多く、興味が尽きません。
とても中原だけでまとまる話でもないのだろうと思っています。
西方の神話との類似性も高いので
既成概念を取り払って様々な角度から検討してみることが
真実に近づく第一歩なのかな、と思います。
私も三文易者さんのネタ投下を楽しみにしているひとりです^^
「易」は亀の甲羅を削ったり焼いたりする手間を省いたものなのでしょうかね・・・。
ギリシアでいうところのデルフォイの巫女が行う事を
他人のチャネルを介さず自身でチャネリングするわけで、
これを編み出した人は凄いな、
いったいどんな人なのだろうと思いを馳せてしまいますね。
では
2013年がべっちゃんさんにとって実り大き一年でありますよう
心からお祈り申し上げます。
良いお年を^^!
投稿: YUKIE | 2012年12月31日 (月) 15時33分
YUKIEさん、お久しぶりです
とても嬉しい励ましの言葉ありがとうございます。
各文明の古層に迫れば迫るほど、共通の要素が多くなり、人類が元々は一つであった思いを強くします。
最近の甲骨文字の研究では、甲骨文字を生み出したのは、商(殷)の支配階級ではなさそうだということになっているようです。甲骨に記録された文字の使い方は、すでに原義を失っている用法が多々見られるそうです。
しかし甲骨文字は楔形文字やヒエログリフとも似ても似つかない。漢字は西方起源ではない、とするともしかして漢字を生み出したのは、日本人・朝鮮人・呉・越ら東夷なのではないか、そんな想像をしています。
また、手が足りないのでできていないのですが、論語や詩経に出てくる擬態語は日本語の擬態語に近いのです。これも学者に研究してもらいたいですね。
投稿: べッちゃん | 2012年12月31日 (月) 18時01分