2025年7月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

« 辶の謎(2)・・・辺(邊) | トップページ | 辶の謎(3)・・・追 »

2013年3月 6日 (水)

サイではなくて金文では?

 口に縦棒を通した中という字形と右手(又)が組み合わさった文字は公式文書という意味を持っており、これについては白川静の「サイ」は正しいと私は考えています。

 

 この要素を持つのは事・史・使・載などです。

 

 白川静はサイを、布や木簡などに記録された文字を収めた器と推測しました。これは合・告・吉など口の上につくりがある文字を解釈しようとした白川の狗肉の策です。

 

 上にいろいろな要素がくっつくのだから、蓋をする物だろうという無意識の連想です。

 

 しかし合・告・吉などはサイではなく石包丁説で解釈できます。

 

 商の時代にも布や木簡に文字を記述することはあっただろうと思いますが、ならばサイが器物だけで、布や木簡の物の要素がないのは不思議です。

 

 口はおそらく石包丁ですが、口が複数あると入れ物を表すようになります。器・哭・区(區)などです。甲骨文字は口で容器を表すこともあるのです。

 

 古代中国では青銅器に文字を刻んで記録としました。これを金文と言います。金文の内容の多数は「○○の功績に対する褒美として××(土地だったり、権利だったり、お金だったりします)を与える」というもので、金文は一種の公式記録として使われていました。

 

 すなわち、サイとは青銅器に刻まれた金文のことではないでしょうか。

 

 祝詞に呪力が込められているというのは日本人の信仰です。確かに漢字を生み出した人達の物の考え方は日本人に非常に近そうなのですが、古代中国に言霊信仰があったかどうかはまだ明らかになっていません。それなのに、言霊信仰を前提に古代中国の文字を説明し、そして古代中国像を再構成してしまうのは危険です。

 

 王からの命令が刻まれた青銅器を受け取るのが「事」、王や臣下の業績を青銅器に棒で刻むのが「史」、王からのメッセージが刻まれた青銅器を持って他国へ行くのが「使」です。

 

 至極単純であり、物的証拠もあります。古代中国史解明に言霊信仰を持ち込む必要はありません。

« 辶の謎(2)・・・辺(邊) | トップページ | 辶の謎(3)・・・追 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: サイではなくて金文では?:

« 辶の謎(2)・・・辺(邊) | トップページ | 辶の謎(3)・・・追 »