四国旅行(4)
後免から土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線に乗りました。
土佐くろしお鉄道は国鉄民営化で建設が中止になりかけた高知県内の2路線を救うために作られた第三セクターです。
その2路線というのは阿佐線と宿毛線。阿佐線は後免から室戸岬を回って徳島県との県境阿佐を結ぶ路線。宿毛線は中村と高知県西端の宿毛を結ぶ路線です。高知県はご存じのように扇を開いたような形をしています。真ん中に高知平野があります。そして高知平野を囲むように四国山地があります。そのため県の中心部と東西両側の連絡が悪く、阿佐は徳島の方が連絡がよく、宿毛は対岸の大分や延岡の方が連絡がよい状態で、県内を結ぶ交通網の整備が重要視されていました。
宿毛線の開業は昭和63年。高知からJRの特急が乗り入れ、宿毛と高知は二時間弱で結ばれるようになりました。私はこの路線は2011年の夏に乗っています。今回も若井−窪川間で一瞬だけ乗っています。
ごめん・なはり線は安芸までは土佐電の路線でした。安芸は阪神タイガースのキャンプ地として有名ですね。
設備が老朽化していた土佐電の安芸線を第三セクターの土佐くろしお鉄道が受け継ぎ、土佐電安芸線の方は一旦廃線、土佐くろしお鉄道完成の折に再開することとなりました。
しかしバブル崩壊後の経済悪化で路線建設計画が中断。受け継いだ安芸線の再開はままならない状態となってしまいました。私は1999年に大学の地質巡検でこのあたりを車で通ったのですが、作りかけの高架橋が放置されており、おそらくこの路線が完成することはないだろうなと感じたのを覚えています。
しかし建設は人知れず続いており、地方の鉄道が次々と廃止される中、2002年、奇跡的にごめん・なはり線は開業しました。さすがに奈半利から先の建設の目処はついていませんが、福山と総社を結ぶ岡山の井原鉄道と並ぶ快挙と言えましょう。
そういえばごめん・なはり線建設再開から営業開始までの高知県知事は橋本大二郎で、井原鉄道の沿線を選挙区としていたのは兄の橋本龍太郎総理でした。この2人、鉄道が好きなのでしょうか。まあ鉄道は地方振興になくてはならないのでこれ以上追求はしない(笑)
JR四国というと、鉄道ファンの間ではアンパンマン列車が有名です。アンパンマンの作者やなせたかし先生が高知県出身で、それにあやかりJRはアンパンマンキャラでラッピングした特急を走らせています。
ごめん・なはり線はさらにすごくて、駅ごとに柳瀬先生にキャラクターを作ってもらっています。やなせ先生の出身地は香美郡で、これはごめん・なはり線の始点後免の山側に当たります。
さて、ごめん・なはり線は第三セクターながら、高架橋が続く豪華な作りです。見晴らしがよく高知湾が見渡せます、この日も安芸から高知市が見渡せました。空気が澄んでいれば足摺岬まで見えるでしょう。
安芸を過ぎると乗客はめっきり減ります。後免から約一時間半で奈半利へ到着。駅前にスーパーがあったので、そこのお総菜コーナーで豚の唐揚げ・オヤジ焼きという変な名前の焼きいかを、そして司牡丹の一号瓶を買って、折り返しに乗りました。この総菜と司牡丹がこれまたうまかったです。
8時頃に高知駅に到着。はりまや橋まで行き、司という料理やさんで土佐料理を食べました。2,500円のセットで鰹とウツボのたたき、それにクジラ料理が食べられます。ウツボというとぎょっとするけれど、これがこりこりしてとても美味しかった。酒も美味しかったです。四国のメシは安くて美味しくて今回の旅行は大成功です。
この日は駅前のホテル高砂に泊まりました。このホテルは温泉で、男湯からは路面電車が見下ろせますので、てっちゃんには最適の宿かもしれません。土佐電のガタゴトという音を聞きながら、四国最後の夜はくれていきます。
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