30年前の政策
福祉充実のためには税金を増やさなければならないことには賛成だが、消費税を急激に上げることには反対です。報道を信用する限りでは、安倍政権は消費税を上げて、法人税を下げて、投資や株式への配当への課税を減らすらしいです。所得税はそのままです。
これは家計から企業そして金融にお金を移動させる政策です。日本のデフレは、現役世代の家計に金が不足していて、大企業や金融に金が貯まっているのが原因です。消費税の急激な引き上げによって消費を冷やし、法人税を下げて企業に金を貯めたら、景気はますます悪化するだけです。
この消費税を上げて、法人税を下げるという政策パッケージ、どこに根源があるのかなと考えたら、財政赤字が問題視された80年代にはぴったり当てはまる政策であることに気がつきました。
あのころは税収の中では所得税がだんとつに多く、家計には金があふれていました。これは個人経営の事業者が多かったことによります。バブルの時代であれば、消費税によって過剰な消費を抑えつつ、企業に減税をかけて、健全な事業拡大を促すのは有効な政策です。
しかし今や個人事業主は死に絶え、お金は大企業にたまるようになりました。そんな中で家計から企業に金を移動させる政策をやっても日本の経済は良くなりません。
財務省は30年以上前の政策にしがみついているのではないでしょうか。
法人税は減らす必要は無いでしょう。所得税は溜めてもどうせ使わない高所得者への累進課税を強化するべきです。株式への配当は法人税が高ければ下げても良いと思います。
結局、消費税ができる前の税制に戻すのが一番の景気対策かつ財政再建策という皮肉な結論が出ました。
80〜90年代に財政赤字にビビったりせずに、何もしなければ、こんなに苦労することは無かったのではないでしょうか。高齢社会になれば自然と家計は金を溜める側から使う側になりますし、国際競争が激しくなればどうしたって企業部門は大企業化しますから、企業の資金不足だって解消したでしょう。
問題は、財務省と政治家が今この瞬間にだけぴったり来る政策だけしか考えずに、この政策を取った結果30年後にどうなるかということを考えなかったことにあります。そして一度考えたら、政策を見直さずに、金科玉条としてしがみつくことが一番悪い。そして経済状況が全然違う欧米の経済誌や学者からの横やりにビクビクする。彼らには長期的視点と気概が欠けているのです。
« 北海道縦断千キロ(二) | トップページ | 公債費抜きの政府支出 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 法人税を事業所別の支払いにしよう!(2019.07.03)
- 日経が初めて決算ベースで歳出を報道(2018.12.22)
- 世論調査の回答率(3社比較)(2017.08.06)
- 世論調査の回答率(日経新聞+テレビ東京)(2017.08.06)
- 世論調査の回答率(朝日新聞)(2017.08.06)


こんばんは。一点、指摘させてください。
>大企業や金融に金が貯まっているのが原因
以下のサイトの図を見て頂ければ分かりますが、お金がたまっているのは、大企業ではなく、中小企業です。
http://agora-web.jp/archives/1450418.html
投稿: janclo | 2013年10月 6日 (日) 01時02分
なるほどjancloさん、ありがとうございます。
中小企業が預金を増やしているのは金融機関による貸し渋り・貸し剥がしへの恐怖でしょうね。
ということは、中小企業に融資が回る仕組みを考えなければならないということになります。
投稿: べっちゃん | 2013年10月 6日 (日) 18時21分