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2014年8月15日 (金)

太陽系スカウト説3

もう一つ矛盾があります。地球が遠心分離されるためには、太陽系には鉄が多い隕石と、2種類のケイ素が多い隕石がなければなりません。
 
鉄が多い隕石は少数ですが見つかっています。残りの隕石はケイ素が多い隕石ですが、組成はだいたい一様です。隕石の組成は多様ではありません。
 
また、地震波の研究からは、地球内部の組成は同じ層の中では一様であり、地震波の伝わり方にはあまりさがないことがわかっています。遠心分離できるような、形が残った隕石が混じり合った地球は少なくとも現在の地球には当てはまりません。
 
これらの困難は、地球が40~50億年前に一気に出来上がったという説に固執することによって生じます。地球は段階的に成長してきたと考えれば問題は解決します。
 
地球は初め鉄が多い場所で隕鉄が集合してできたのでしょう。あるいは隕鉄ではなく、最初から月くらいの大きさの鉄の塊があったのかもしれません。
 
その地球は銀河系の中をさまよいます。やがてケイ素をたくさん持つ星雲に引き寄せられます。強い重力と磁力を持っていた原始の鉄地球は、重力と電磁気力によってケイ素隕石を引き寄せます。(マントルは電気を通す半導体であることが最近わかってきています。太陽系の隕石は電磁気力によって引き寄せられるのです。)
 
鉄地球に次々とケイ素隕石が衝突します。しかし鉄は硬い上に組成が全然違います。下にある重い物は熱せられてもそう簡単には上に行きません。その結果、鉄地球は厚いケイ素のベールをまとうようになります。これが下部マントルです。
 
やがて地球は今度はケイ素が少ないカンラン岩隕石が多い太陽系に引き寄せられ、カンラン岩の衣(上部マントル)をまとうようになりました。
 
隕石が解け合ってから分離するという従来の学説は熱力学の第2法則に反します。地球は元々鉄の塊で、それがケイ素隕石が多い環境を通過し、ケイ素の層を持つようになったと考えれば、地球の3層構造もすんなりと理解できます。

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天文と歴史」カテゴリの記事

コメント

べっちゃんさん、こんにちは。
http://www.eps.s.u-tokyo.ac.jp/epphys/space/moon.html
月は、火星と同じくらいの 原始惑星が成長最終段階にある地球に衝突して作られたのではないかと考えられている。

マグマオーシャンの存在と共に、月には幾つかの重要な特徴があり、それらは月の起源を考える上で、どうしても説明しなければならない制約条件となっています。

地球・月系は、他の地球型惑星に比べると回転運動量が異常に大きい
月と地球では、酸素同位体比が同じ分別曲線状に載っており、同一の材料物質からできたことを示している。ちなみに火星や小惑星の酸素同位体比は地球の分別曲線には載らない
月は地球に比べ、 水やナトリウムなど揮発性物質が圧倒的に少ない
月は地球に比べ、鉄が少ない
月は、その小さいサイズにもかかわらず、いったん全球溶融した
これだけの制約条件が揃うと、それまでに幾つか考えられていた月の起源 説をかなり絞り込めるようになりました。月の起源説の主要なものは

共集積説。月と地球は同じ材料物質から同時期に形成した
捕獲説。月と地球は太陽系の別の場所で形成し、月が地球の重力によっ て捕獲された
分裂説。月は高速回転している地球から分裂して形成した
巨大衝突説。成長途中の地球に他の原始惑星が衝突して月が形成した

 1970年代頃までは、「捕獲(スカウト)説」があったとのことですが、

『これらの困難は、地球が40~50億年前に一気に出来上がったという説に固執することによって生じます。地球は段階的に成長してきたと考えれば問題は解決します。』

 前提として、原始太陽系の形成時に地球の原型そのものは「段階的に成長」してきた。しかし「大衝突(浮遊原始惑星)」で形成が進んだ。とはならないと言うことですね。

 浮遊原始惑星だけが通過したのか太陽系と同規模の別の太陽系が通過したのかというのは、このスカウト説では考えているんですか。

投稿: 保守系左派 | 2014年9月15日 (月) 13時10分

グレートインパクト説とこのスカウト説は抵触しないと思いますよ。地球内部の三層(あるいは四層)構造ができてから、火星大の天体がぶつかったと考えれば良いのです。

太陽系同士が衝突した可能性もあるかもしれません。

投稿: べっちゃん | 2014年9月15日 (月) 22時24分

 べっちゃんさん、こんにちは。
 宇宙戦艦ヤマトで出てくるアクエリアスの話や大小マゼラン星雲が銀河系を通過する話が出てくるのですが、原型にはスカウト説があるということなんでしょうか。

投稿: 保守系左派 | 2014年9月16日 (火) 12時51分

スカウト説は私のオリジナルです。

でも、今までにも提唱した人は誰かいるかもしれません。

恒星と恒星の間の距離は非常に大きく、滅多なことでは衝突も交差もないと言われています。銀河の振る舞いから推測できる宇宙全体の質量と、観測できる恒星から推測する質量は全く釣り合わないため、ダークマターというものが仮定されています。

でも光らない星(地球型惑星)が恒星と恒星の間にも大量に分布していれば、ダークマターを想定する必要はなくなります。ただし宇宙像も宇宙の年齢も根本から変更しなければなりません。

しかし、仮説としては何らおかしくはありません。

投稿: べっちゃん | 2014年9月16日 (火) 21時14分

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