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2017年4月 1日 (土)

猿蟹合戦

ジャータカの過半数は、いわゆる昔話、お伽噺の類です。日本のお伽噺、イソップ童話、千一夜物語などに影響を与えたといわれています。それもご紹介しましょう。
 
 
「カモシカ前生物語」(3-206)
 
昔々、カモシカ(お釈迦様の前生)とキツツキ(サーリプッタの前生)とカメ(モッガラーナの前生)が仲良く住んでいました。ある日カモシカが一人の猟師(デーヴァダッタの前生)が仕掛けた罠にかかってしまいました。カモシカの悲鳴を聞きつけてキツツキとカメがやってきました。
 
キツツキがカメに言いました。「きみには歯があるね、その歯でこの罠をかみ切ってくれ。私は出かけて行って、猟師がやってこないようにしよう。そうすればこの友を救うことができるだろう。」
 
カメは革ひもを噛み始めました。キツツキは猟師が住んでいる村へ向かいました。
 
猟師は朝早く、出かけようとしました。キツツキは声をあげて表口から出てくる彼の顔を打ちました。猟師は、「不吉な鳥に打たれた」と中に戻ってしばらく休み、今度は裏口から出ようとしました。キツツキは先回りして裏口から出てくる猟師を打ちました。
 
「こいつはわたしを出してくれないぞ」と言って中に戻り、日の出まで寝ました。日がのぼった時、刃物を手にして出てきました。キツツキは大急ぎで飛んで行ってカモシカにそれを告げました。ちょうどその時、カメは一本の革ひもだけを残して、全部かみ切ってしまっていました。しかし、その歯は今にもダメになりそうで、口は血だらけでした。
 
カモシカは猟師を見て革ひもを断ち切って森に逃げ込みました。しかしカメは弱っていたので、猟師につかまってしまいました。猟師はカメを袋の中に放り込んで切り株に結び付けました。
 
カモシカはカメがつかまっているのを知り、「友達の命を救おう」と、弱っているふりをして猟師に姿を見せました。猟師は刃物を取って追いかけます。カモシカは猟師を森の奥に誘い込んで迷わせ、自分は別の道を通って戻ってきて、角で袋を持ち上げてカメを助けてやりました。
 
カモシカはカメとキツツキに感謝し、両者に逃げるように告げた。
 
さんざんな目にあった猟師は、手ぶらですごすごと家に帰りました。三匹は末永く仲良く暮らしたということです。

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