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2017年6月 6日 (火)

天の岩屋戸と蛇使い座

天の岩屋戸を表す星座は蛇使い座であり、天手力男神(あめのたぢからをのかみ)がヘルクレス座です。11月から12月にかけて、太陽は蠍座→蛇使い座→射手座のルートを通ります。蛇使い座は黄道十二星座には数えられていませんが、星図上は黄道は蠍座よりも蛇使い座の方を通過しています。

 

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夏の夜空の星図(「星座早見検索小図鑑」)、黄道は蛇使い座の足元を通っている。

1)天の岩屋戸と蛇使い座
蛇使い座は夏の星座で非常に大きい星座です。五角形のおにぎりのような形をしています。夏の夜に天頂に上がる星座ですが、目立つ星は少ないので知られていません。形は岩のように見えないこともありません。

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蛇使い座(両手に持つ蛇座とセットにしたときの面積は、星座の中で1位)

蛇使い座が岩に見えるというだけで、天の岩屋戸は蛇使い座だと言ってしまうのは強引に思えるかもしれません。しかし、蛇使い座のすぐ北にある星座はヘルクレス座です。蛇使い座とヘルクレス座をセットにすると、天の岩屋戸神話に当てはまるのです。

 

2)ヘルクレス座と天手力男神

ヘルクレス座も夏の夜空に昇る非常に大きな星座です。全天で5番目の面積を持ちます。

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ヘルクレス座(北を下に、南を上に表示しています)

ヘラクレス(ヘルクレス)はギリシャ神話に登場する怪力の英雄です。ゼウスの子供で、様々な冒険の物語が残されています。その物語のテーマがヒドラ(竜)・獅子・牛・猪・暴れ馬などの強力な野生生物の退治や治水や土木工事と関連があることから、ギリシャ人よりも前にバルカン半島に住んでいた原住民に崇拝されていた最高神だったのではないかという説もあります。

蛇使い座とヘルクレス座はマイナーで、日本では蛇使い座の五角形を箕に譬えることがあるくらいで、ヘルクレス座を人間に見立てた記録はないため、正直言って根拠は薄弱なのですが、蛇使い座とヘルクレス座が東の空に昇るときの姿は、このように力士が大岩を動かそうと踏ん張っている姿に見えます。

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東から登るときの蛇使い座とヘルクレス座と11~12月ごろの太陽の位置、力持ちと大岩に見えません?

冬の明け方に、蛇使い座の横から昇る太陽を見て、古代人は天手力男神が、岩を動かして天照大御神を引き出した姿に見立てたのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

3)速須佐之男命とヘラクレス

ヘラクレスの神話と、速須佐之男命・大国主命の神話は、偶然とは思えないほどそっくりなので興味のある方は調べてみてください。

・首のたくさんある竜を退治する(おそらく両方とも、古代の王者が暴れ川を治水したことのメタファー)

・子供っぽいところがあって、気に入らないことがあると暴れる

・邪魔をする女神(ヘラクレスの場合は継母のヘラで、速須佐之男命の場合は天照大御神)

・国引き伝説(ヘラクレスは欧州とアフリカを分割するジブラルタル海峡を作った、出雲の創造神の一柱である八束水臣津命は新羅や能登から土地を引きずってきて、出雲の土地を広げた)

・地獄巡りの神話(大国主命が速須佐之男命に娘との結婚を申し込みに行く神話は、地獄巡りの神話の変形です)

違うのは、ヘラクレスは最後に妻に騙されて殺されるところくらいでしょうか。速須佐之男命も娘に騙されていますが、それは大国主命と結婚するためですから、別にバッドエンドではありません。

ヘラクレスと速須佐之男命の神話は、ギリシャ神話とか、仏教儒教なんかができるよりも、ずっと昔からある、世界中に共通な神話なのではないかと考えられます。

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