神武東征と秋の星座
九州を出発した神倭伊波礼毗古命は、瀬戸内海を東に進み、浪速で邇芸速日命の軍勢とぶつかりました。邇芸速日命軍の将軍登美能那賀須泥毗古が放った矢が、神倭伊波礼毗古命の兄の五瀬命に当たりました。
五瀬命は「我々は日の神の子孫であるのに、太陽に向かって戦ったので負けてしまった。これからは迂回して、太陽を背に受けて敵を討とう。」と言って南に向かいました。五瀬命は血沼海で手についた血を洗い、紀伊国の男の水門(紀ノ川の河口)で亡くなりました。
ここから先、神倭伊波礼毗古命は、次々と不思議な怪物や半人半獣の怪人?と出会います。これらの怪物や怪人は秋の黄道の星座です。しかし秋の黄道の星座は暗くてぱっとしない星が多いので、神よりは一段落ちる怪物として扱われています。古代人は、薄暗い秋の夜空は、怪物がうごめく得体のしれない世界とみなしていたようです。
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