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2017年10月28日 (土)

神武東征と秋の星座

九州を出発した神倭伊波礼毗古命は、瀬戸内海を東に進み、浪速で邇芸速日命の軍勢とぶつかりました。邇芸速日命軍の将軍登美能那賀須泥毗古が放った矢が、神倭伊波礼毗古命の兄の五瀬命に当たりました。
 
五瀬命は「我々は日の神の子孫であるのに、太陽に向かって戦ったので負けてしまった。これからは迂回して、太陽を背に受けて敵を討とう。」と言って南に向かいました。五瀬命は血沼海で手についた血を洗い、紀伊国の男の水門(紀ノ川の河口)で亡くなりました。
 
ここから先、神倭伊波礼毗古命は、次々と不思議な怪物や半人半獣の怪人?と出会います。これらの怪物や怪人は秋の黄道の星座です。しかし秋の黄道の星座は暗くてぱっとしない星が多いので、神よりは一段落ちる怪物として扱われています。古代人は、薄暗い秋の夜空は、怪物がうごめく得体のしれない世界とみなしていたようです。
 

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2017年10月25日 (水)

槁根津日子とカノープス

生れ故郷の日向を兄の五瀬命と一緒に出発した神倭伊波礼毗古命は、速吸門で槁根津日子(さをねつひこ)に出会います。槁根津彦はまたの名を椎根津彦(しいねつひこ)と言い、神倭伊波礼毗古命の道案内をしました。
 
豊後の佐賀関(大分県大分市南部)には椎根津彦神社があります。そして豊後と伊予の佐多岬に挟まれた海域を速吸瀬戸(豊後水道)と呼びます。佐賀関には速吸日女神社があります。私は縁あって佐賀関に何度か行ったことがあります。この地域には神武東征に関する独自の伝承が残されています。
 
速吸瀬戸の名前の通り、この海域は非常に潮の流れが速いです。有名な関サバは、早い潮にもまれて身が引き締まると言われています。そのため、航海するためには水先案内人が不可欠でした。椎根津彦は豊後水道を象徴する神様なのです。
 
 

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2017年10月21日 (土)

三人の神武天皇

古事記の上巻は、天津日高日子波限建鵜葺不合命(あまつひこひこなぎさうがやふきあへずのみこと)が、玉依毗売命(たまよりびめのみこと)との間に、4人の子供をなすところで終わります(後述するように、私は5人と考えていますが)。
 
その子供とは上から順に
  • 五瀬命(いつせのみこと)
  • 稲氷命(いなひのみこと)
  • 御毛沼命(みけぬのみこと)
  • 若御毛沼命(わかみけぬのみこと)=豊御毛沼命(とよみけぬのみこと)=神倭伊波礼毗古命=(神武天皇)
の四人です。

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2017年10月18日 (水)

男女が織りなす日本神話

古代日本人は、神々は男女ペアの存在であり、神々が睦み合うことで自然のサイクルが回り、反目し合うことで自然のバランスが崩れると考えていました。
 
そして神々には、神々個人としての役割と太陽神に仕える神々としての役割、二つの面がありました。個人としての役割は太陽がいない夜に発揮され、太陽神に仕える神としての役割は太陽が空に昇る昼に発揮されました。
 
太陽がいない夜には、神々は自分の力を直接人間に及ぼします。例えば、春の星座である邇邇芸命と木花之佐久夜毗売は、春に人の心をウキウキさせて、若い男女の恋を祝福します。
 
反対に邇邇芸命と木花之佐久夜毗売が太陽と一緒に天に昇る秋には、木花之佐久夜毗売は太陽から力を奪って、太陽を衰退させます。これは要するに、恋人である邇邇芸命が、太陽神天照大御神に仕えているので、木花之佐久夜毗売は嫉妬して、天照大御神の力を奪うからです。
 
しかし、神々が反目して自然のバランスを崩すこともまた、自然の営みとして欠かせないのです。
 
 

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2017年10月14日 (土)

神倭伊波礼毗古命とシリウス

5)男神の神格
それでは、男神の神格と季節の関係はどのようになっているのでしょうか。

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2017年10月11日 (水)

日本神話と四季の星座

神武東征神話に入る前に、天津神と四季の関係を整理しましょう。
 
これまで見てきたように、国造り神話は夏の星座、邇邇芸命の神話は春の星座、天の岩屋戸伝説は冬の星座、邇芸速日命の神話は秋の星座でした。
整理すると表のようになります。
 
 

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2017年10月 9日 (月)

邇芸速日命とペルセウス座・アンドロメダ座

春分点の神様は邇芸速日命(にぎはやひのみこと)です。ただし古事記では邇芸速日命の神話は、神武東征神話の影に隠されています。これはおそらく、邇芸速日命を崇拝していた物部氏が飛鳥時代にはまだそれなりの力を残していて、物部氏の氏神である邇芸速日命が活躍する神話を、大和朝廷の正史として残すことは危険だと、持統天皇や藤原不比等が考えたからでしょう。
 
そこで、古事記以外の史料も使って邇芸速日命を探っていきます。
 
 

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