神倭伊波礼毗古命とシリウス
太陽神を取り巻く四季の男神
7)神倭伊波礼毗古命と邇芸速日命の関係
皇室の始祖である神倭伊波礼毗古命には、星空上は支配者としての神格はありません。支配者としての神格を持っているのは邇芸速日命です。このことは、日本社会の特徴と言われる権威と権力の分離が、二千年以上前にはすでに始まっていたことを意味するのではないかと私は思います。
皇室は太陽神の子孫として敬われていたが、実際に政治をしていたのは、物部氏や葛城氏だったのでしょう。それが星座にも表れているのではないでしょうか。
しかし、唐や新羅の脅威を受けて、天皇の力を強くする必要が生じて、神倭伊波礼毗古命が邇芸速日命を討伐する神武東征神話が成立し、邇芸速日命の天津神を運搬するという役割は隠されたのではないでしょうか。
8)男女が織りなす日本神話
天津神神話の核には、男女の関係がこの世の創造と破壊を駆動するエネルギーとなっている思想があります。このように、神々が必ず男女セットになった神話を持っているのは日本だけです。
日本の文芸は男女の関係ばかりで、中国や欧州の古典から入った人は面食らいますが、そもそも日本人は神代の時代から、男と女がいなければ世の中が始まらないという思想をもった民族だったからであり、もはやこれは日本人の文化のDNAと言っても過言ではありません。
四季を動かすのも、天体を動かすのも、社会を動かすのも、人生のサイクルも、男女の間の感情のバランスで説明してしまう神話を、我々のご先祖さまは持っていました。ここまで徹底して男女の関係で世界を説明する思想を持っているのは日本人だけではないかと思います。
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今の地球は人間の過剰な行いの為地球は破壊の一途をたどっているシリウスの神のお力をいただ必要が迫っている
投稿: 涌井義男 | 2021年12月31日 (金) 10時58分
涌井様、初めまして。書き込みありがとうございます。
自然は大切にしたいものですね。
投稿: べっちゃん | 2022年1月 3日 (月) 22時16分