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2018年6月19日 (火)

HUGっと!プリキュア 第18~20話

先週のプリキュアで無事に愛崎えみるちゃんと、ルールー・アムールちゃんがプリキュアに加入しました。良かった良かった。第15話で二人が出会ってからプリキュアになるまでの5話は、怒涛の展開でありかつ、感動の嵐でした。感想サイトを見ても、感動したとか今までのプリキュアには無かった展開だったと、賞賛と驚きの声が多く上がっています。

まずすごいなと思ったのが、アンドロイドのルールーに心があることが当然のこととして話が進んでいるところではないでしょうか。
 
ロボットと自我は鉄腕アトムや鉄人28号以来、ずっと日本の漫画のテーマでした。
 
今回のルールーもプログラミングされた人格と、はなたちと交流してから後天的にできた人格の葛藤に悩みました。けれども、ミライクリスタルがルールーから出てくることには特に奇蹟はありませんでした。ピノキオは女神さまの魔法で人間になりましたが、今回のプリキュアの女神さまはルールーをロボットのまま心がある生物と認めたことになります。
 
ここまであっけらかんとロボットが人間扱いされている話はドクタースランプ以来だと思います。
 
はぐっとプリキュアのテーマが、様々な決めつけの打破、特に性的な役割分担の打破にあることも、この数話で明確にされました。えみるの兄は、妹が軽音をやろうとすることに反対しましたが、アンリに促されて第20話では応援する側に回っています。そのアンリも女性の服を着ることを好んでいます。しかし身を挺して女の子を守ろうとするなど、性格は男らしさを失っていません。男の子だけれど、女性の服が好きなだけの人なんですね。これも当然のこととして描写されています。
 
そもそも、未来から来たハリーは男手ひとつではぐたんを育てています。はぐたんはどうやら未来の世界でプリキュアをやっていて、何らかの理由でハリーと逃亡することになり、その過程で赤ん坊になってしまったようです。血縁関係は無いようなんですね(むしろ恋愛関係か同志であったことが濃厚)。義理の親子関係が出てきたのもプリキュアでは初めてだったと思います。
 
才能あふれるスーパー中学生のさあやとほまれは、キャリアウーマンを象徴しているのではないかと私は思います。それに対してリーダーのはなは専業主婦です。でも本作は今のところどちらにも肩入れしていません。これも新しい。
 
今までのプリキュアは「おジャ魔女どれみ」の流れで、クラブ活動のノリでお仕事の真似事をすることはよくあったのですが、実際に社会の中で仕事をやりながらプリキュアというのはあまりなかったようです(アイドルとしてすでに成功している少女が、プリキュアになるというパターンは数人います)。代表は私にとっては春日野うららですが、うららにとってアイドルというのは設定のレベルで、プリキュアやることに葛藤はないのですね。
 
魔法のプリンセスミンキーモモとスタジオぴえろの魔女っ子シリーズという職業婦人を描いた一連のアニメシリーズがありました。男女雇用機会均等法施行に合わせて企画されたアニメです。これらの作品では少女が大人に変身して、物事を解決したり騒動を起こしたりするのですが、仕事と私生活の間に生じる葛藤には正面からは取り組みませんでした。
 
このブログにも一部書きましたが、ミンキーモモは、変身した姿で2回恋愛して両方とも悲恋に終わっています。空モモは夢と現実のギャップに苦しめられ、最終的には使命に押しつぶされて悲劇的な結末を迎えます。海モモは魔法の国にも帰れず、人間の少女のまま数千年も生き続けるよう運命づけられるひどい終わり方になっています。
 
クリィミーマミとマジカルエミはアイドルとしての仕事の方は投げっぱなしのまま、魔法が切れて終わってしまいます。
 
魔法の妖精ペルシャは、使命と女としての幸せに挟まれた挙句に、心を凍らせて引きこもってしまった妖精の女王(フェアリ)を救うのが出発点です。ペルシャの努力によってフェアリは復活しますが、彼女は人間の男性と幸せになることはあきらめました。
 
どうも80年代のアニメーターには、女性の仕事と個人の幸せの間に生じる問題に気が付いていたけれど、解決策を提示するところまでは踏み込めなかったようです。
 
結局万人に当てはめることができる解決策はないのですが、はぐっとプリキュアはこの問題に正面から取り組もうとしているようです。魔女っ子アニメの積み残しに取り組んでいて期待が持てます。これからも注目していきたいです。

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コメント

Hugっとプリキュアのテーマの一つが性的役割の打破なのは間違いないですが、もう一つ最初から示されているテーマは「未来/明日」ですね。ミライクリスタル、アスパワワ、クライアス社と重要キーワードが全部そっちを示してますから。
両方を合わせると「可能性」「多様性」になるのでしょうね。「なんでもできる!なんでもなれる!輝く未来を抱きしめて!」がキャッチフレーズですしね。

「なんでもなれる」というのが、従来の子供向け番組だったら職業だったり理想の父母という社会的役割だったしたのですが、この作品の目指すところは本当に「何でもなれる」みたいです。職業婦人や母になることはもちろんですが、女性の服を着る男の子、男の子を好きになる男の子、女の子を好きになる女の子、まさに何でもあり。

かなりアナーキーです。でも、物語が崩壊していないのは、さすが制作陣にはそれなりに神が通っているので守るべき一線は守っているのでしょう。

来年のプリキュアは、この調子だといよいよ男の子がプリキュアになるかもしれませんな。男の子みたいに、女の子もヒーローになれる、ことがスタート地点だったプリキュアが逆に、男の子がプリキュアに憧れて女の子になってプリキュアになる、となった時初めて物語世界では男女が真の意味で平等になれたことになります。

あと、ヒーローの活躍がテレビで放映されたり、周囲がどことなく気づいていたりと、なんだか往年のパーマンを参考にしているような感じもします。

プリキュアの存在が完全に世間に明らかになっている話としては「ハピネスチャージプリキュア 」がありました。この話では世界中にプリキュアがいて、全世界的な侵略と戦っているというストーリーでした。プリキュアのプライバシーをマスコミが明らかにしようとする回もありました。
ちなみにこの話では敵側の強キャラ(男性)である「プリキュアハンター」が、主人公であるキュアラブリーそっくりに変身して戦う回があるのですが、これを「男の娘プリキュア 」と見なす向きもあります。

はぐっとプリキュアのDVD第1巻が届きました。視聴中です。

第16話で痴話喧嘩をしていた同級生の少女二人は、第一話からはなと絡んでいるのですね。よく見たらルールー歓迎会にも参加しているし。最初は全然気が付きませんでした。

しかし、最近はDVDよりもテレビ放送の方がきれいなのか。東映はまさかデジタル映像をアナログにしてから、DVDに焼いているのだろうか。なんかもったいないことをしている気がする。

今使っているプレイヤーはアナログアニメの再生がうまくいかないんですよね。もらいものだから贅沢は言えないんだけど。アナログアニメの再生に適したDVDプレイヤーを買おうかな。

21話を見ましたが、こういう展開になるとは。

持てる資源は何でも投入するつもりのようですね。

いっそすがすがしいです。

22話。初代組活躍とか新アイテム登場とか色々ありますが、個人的には仕事も恋もうまくいかずにオシマイダーとなったパップルさんが、えみルーコンビのおかげで無事退社できて良かったです。

今年は悪役サイドの描写がえぐいですよね。

23話。クライアス社のメンバーが一新されて、後半戦の始まりですね。しかし見せ場が全くなかったダイガンさんが哀れ。
あと、はなも暗い過去を背負っていたんですね。

どうしたんだ?というくらい今年は力が入っていますね。
純粋にすごく面白いです。アニメ史に残る傑作になりそう。

神っているというやつですね。

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