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2019年1月20日 (日)

HUGっと!プリキュア 最終決戦(ネタバレ)

「HUGっと!プリキュア」もついに最終決戦が終わりました。
 
やはりとても仏教色の強い展開でした。
 
ネタバレ満載なので知りたくない方は注意してください。
 
 
1)第47話
 
第47話では過去に敵対したクライアス社の退職組が助太刀に駆け付けるアツい展開。電撃戦隊チェンジマンを思い出します(年がばれる)。かつて社長を愛していた(今も?)パップルさんが、「あの人を救ってほしい」とプリキュアに頼むのも良かったです。プリキュアシリーズには絶対悪がいないのですが、ハグプリはそれが特に強く出ています。
 
47話の後半では、クライアス社の本社ビルに突入したプリキュアの五人が、ジョージ・クライ社長と対決します。社長はハグたんを捕まえて光の玉の中に閉じ込め、はなもまた鳥籠の中に拘束します。
 
クライ社長は未来でキュア・トゥモローをやはり鳥籠の中に閉じ込めています。だからこれは制作側のメッセージなのでしょう。
 
第49話を素直に読めば,ジョージ・クライははなの将来の旦那さんで、ハグたんははなとジョージ・クライの間にできた子供ですから、社長には妻のはなや娘のハグたんを消してしまうことはできません。だから安全な場所に閉じ込めて守っておきたいのでしょう。
 
だからジョージ・クライは女性に自主性を認めない古い価値観の象徴です。
 
はな以外の四人は、社長からの熾烈な攻撃を受けて傷つきながらも、はなを開放しました。しかし、力尽きて退場してしまいます。ここまでが第47話。
 
2)第48話
 
第48話ははなと社長の夫婦喧嘩(笑)
 
どうやら未来の世界は文明が行き詰っていて、はなは人々を救おうとして力尽きたようです。現代パートにドクタートラウムらしき研究者と、その助手らしき若き日のジョージ・クライが登場しましたから、そもそもプリキュアに変身する技術を発明したのは、トラウムとクライである可能性すらあります。
 
はなは技術開発の過程でマザーになってしまったのかもしれません。このあたり、どうも制作陣は、「新世紀エヴァンゲリオン」を意識しているように私には感じられました。はなが碇ユイでジョージ・クライがゲンドウ指令。それでプリキュア一号が娘のハグたん。碇シンジ君ですね。
 
であるので、第48話でオシマイダー化したジョージ・クライを、マザーが抱きしめたことで、彼の望みは達成されたことになります。彼は消えてしまった妻を追い求めていたのでした。庵野監督はゲンドウ指令を碇ユイと再会させてあげなかったので、いまだにストーリーにケリをつけられなくて苦労していますが、最近は神仏をアニメに出すことを世の中が許容しつつありますので、サトジュンと座古監督も思い切ってエヴァンゲリオンにけりをつけようと思ったのでしょう。サトジュンは別名でエヴァンゲリオンの制作に参加しています。
 
 
3)山川草木悉皆プリキュア
巨大化したクライを倒す際に、未来パッドが発動して全ての人間がプリキュアに変身しました。これは「プリティーリズム・オーロラドリーム」のクライマックスシーンのオマージュです。プリティーリズムでは主人公の春音あいらが伝説の技オーロラライジングを超える技オーロラライジング・ドリームを出し、会場の観客全てを宙に浮かせて夢の世界にいざなったのでした。ハグプリ脚本の坪内さんはプリティーリズムに中心となって参加していました。
 
さらに最後にマザーが地球を抱きしめるのは、第二作の「プリティーリズム・ディアマイフューチャー」で、春音あいらが繰り出した「無限ハグ・エターナル」という技です。プリティーリズムシリーズは大震災で沈んだ人々の心を勇気づけたのでした。そういえばこれもハグですね。
 
「HUGっと!プリキュア」はとりわけ日本仏教の色が濃いです。生物にも国土にも、全てに仏が宿っているというのは密教や華厳経のテーマで、日本仏教は弘法大師と伝教大師以来そういう方向に進みました。すべての人がプリキュアに変身したのは、全ての人間に仏性があるという伝教大師の教えをアニメなりにあらわしたのですね。
 
 
4)ジョージ・クライは救われたのか?
話の流れからはジョージ・クライははなの将来の旦那さんということになると思います。だから過去の嫁のプライバシーを侵害しまくりなのも、ぎりぎり放送コードの枠内に入るのでしょう。
 
現在のはなは未来のことは勿論知りようがありません。でも深いつながりがあることを心が知っているのでしょうか?人間に戻ったジョージ・クライをはなは抱きしめました。そして「また会おう」といって彼は消えました。
 
最近の日本のアニメーションでは「過去改変はタイム・パラドックスを起こさない、何故なら新しい世界ができるだけだから」という思想です。だから今のはなの世界には明るい明日が来るかもしれませんが、クライとクライアス社社員が戻る未来は、苦しみが多い世界のままではないかと思います。それは最終回で描かれるのでしょう。でも、明日を取り戻した彼らは、世界の再建のために立ち上がるのだと思います。
 
時間軸は変わってしまったので、はながジョージ・クライと結婚するかどうかも未定でしょう。未来は常に白紙で、自分で切り開くものだというのは、プリキュアを始めとする日本アニメが常に説いてきたことでした。
 
 
5)補足
 
ジョージ・クライが本を後生大事にしていたのは、化石化した知識や聖典で人の生き方を縛ろうとする宗教を象徴しているのだと思います。
 
少なくともイエス・キリストは自由に生きることを説いたので、キリスト教が黙示録的思考に陥る(確定した未来を実現する生き方を信者に強いる)のは本来はおかしいのですが、まだまだ一神教は自分で自分を縛っているところがあります。
 
最終回は49話ですが、これは四十九日と対応しています。仏教では死者の魂は四十九日間かけて仏になる準備をします。インドの古い習慣バルジが日本に伝わったともいわれています。日本にも遺骸を数日から数か月安置しておく「殯(もがり)」という風習がありました。
 
プリキュアの制作陣はとことん仏教の再興にこだわっています(笑)

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コメント

『山川草木悉皆仏性』『草木国土悉皆成仏』『山川草木悉皆成仏』と言い方はいろいろありますが、全ての存在が仏性を有し仏と成る存在であると言う考え方は、日本仏教の特質であり本質ですね。全ての人がプリキュアになると言うラストは、まさに日本仏教的な考え方を反映したものだと思います。
かつてのプリキュアは選ばれたヒーローという性質が強かったのですが、4年前のGo!プリンセスプリキュアから、一般人も妖精も心の奥底にはプリキュアと同じ性質(『プリキュア性』と言うべきでしょうか)を持っているという考え方が打ち出されて、Hugっとプリキュアではそれがとことん突き詰められたように思います。
次回予告でははなの出産が示唆されているという話がTwitterに出てますが、最終話ではみんなの未来が描かれる事になりそうですね。

二回目の視聴で、次回予告を注意してみてみました。

ほまれが長髪になって飛行場を走っています。スケート選手として世界を飛び回っているのでしょう。さあやはお医者さんになったようですね。ということは、はなの赤ちゃんをさあやが取り上げるのでしょう。ほまれは出産に立ち会うために急いでいるのかな?

はな、さあや、ほまれの三人は生涯の友情という感じがして、この三人の関係はとても好きです。アニメの中の架空の関係とは違った、何かリアリティーを感じます。この三人の友情は生涯続くでしょう。

次回予告の最後のはなのアップで、瞳の中を見ると、ハグたんに似た赤ちゃんが映っています。ここは明らかに仕込んでますよね。

そういえば、プリキュアはこれまで別世界からの侵略を本来は部外者であった普通の少女が迎え撃つのが、共通のストーリーでした。これはヒーロー物の基本原則です。

でもジョージ・クライが現代にやってきた目的は、はなを救うためですから、最初からはなが物語の中心にいたと言う非常に稀なケースといえます。

そう言う意味でも、ハグプリは異例な作品でした。こういうストーリーは今後もなかなか現れないのではなかろうかと思います。

最後はやはりはながハグたんを出産するシーンで終わりましたね。大人になったプリキュアの出産シーンが描かれたのも初めてでしょう。さあやが産婦人科医で、ダイガンは看護師か麻酔科医(無痛分娩だとして)でしょうか。麻酔科は医師の中でも特別な経験を要求される分野なので、さあやが示している信頼から考えると麻酔科かなと思います。
最近のプリキュアではいつも描かれる別れのシーンも出てきました。はなとハグたん、えみるとルールーの別れ。こういう辛さを味わうシーンが入るのも、最近のプリキュアの特徴です。
未来が2030年なのは、この頃に汎用人工知能が実現されるという予測があるので、それを意識したのかもしれません。ルールーが開発される年代としては、「ひょっとしたら」と思われるあたりですね。えみるとルールーの凸凹が逆になってるのも上手いやり方です。

登場人物全員の未来を描いて、サービス満点でしたね。
 
個人的には、登場人物を全員関係者にすることはないと思っているんですけれども(少女マンガの悪い癖だと思っています)、その方がファンへの受けはいいですからね。
 
出産に立ち会ったことはないので分からないのですが、はなが陣痛に苦しんでいたようだから無痛分娩とは違うのでは?どうなんでしょうか?
 
ジョージ・クライが未来に帰ったのか、この世界に残ったのかはよくわかりませんでしたね。はなが気配を感じていたので、まだこの世界に残っているのかもしれません。愛する妻を失った世界に戻るのはつらかったのかもしれません。
 
12年後のルールは、ギリギリありかもしれません。新大阪万博に期待しましょう。

実際に無痛分娩の現場に立ち会ったこともありますが、陣痛はありますし、出産が苦しいことには変わりありません。麻酔のおかげで通常分娩よりは痛みが少ないという程度ですね。それでも妊婦にとっては随分楽になるのですが。

なるほどそうですか、勉強になります。

しかしじゃあ「無痛分娩」は用語としてまずいのでは?

無痛分娩がかえって危険であるという意見も聞いたことがあるのですがこれはどういうことなのでしょうか?

それとも痛みが軽減されても、結局出産にはリスクが伴うものであると言いたかっただけなのかもしれません。

日本人は「自然」信仰が強く、無痛分娩を否定する傾向もまだ強いですからね。麻酔を使うのでそのリスクはありますが、適切な処置ができる麻酔医がいれば大丈夫でしょう。いずれにせよ出産にリスクが伴うのは間違いないですし。

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