2021年2月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28            
無料ブログはココログ

« 札所四番から五番そして鹿江比売神 | トップページ | ヒーリングっとプリキュア~新年早々ラスボスが!? »

2021年1月 9日 (土)

土御門上皇と札所六番から十番

ダウンロード -お遍路マップ (札所1~19番) ohenromap01.pdf

札所六番安楽寺から上板町に入ります。

ここでこの区間を歩き遍路をする場合の注意点。

札所五番地蔵寺のあたりまではバスやタクシーも多いのですが、安楽寺から先の上板町と阿波市はいきなり交通の便が悪くなりますので、宿泊地や補給には十分に注意してください。県道12号まで出ればコンビニもありますが、遍路道にはコンビニがなく、それどころか札所六番から九番までの間には自動販売機もありません。夏場には水を確保した上で歩かないと大変なことになります。便利な都会に慣れた人は注意です。

徳島市と鴨島駅の間にはバスが通っていますが、一日5往復ほどしかありませんので時間は十分に確認する必要があります。札所が並ぶ山すそと、徳島交通鴨島線のバスルートは3㎞ほど離れており、札所七番~十番からバス停までは、最低30分はかかります。

坂東三十三ヶ所や西国三十三ヶ所は、たいてい山門までバスが来ていますが、四国八十八ヶ所にはお寺の前までバスが来ているとは限りませんので、百観音と同じ感覚で行くと大変な目に遭います。

逆に言うと、江戸時代のお遍路の雰囲気が味わえるルートともいえるわけです。

 

第六番 安楽寺

温泉山 瑠璃光院

本尊 薬師如来

この日はまず朝にバスで板野から東野へ行って安楽寺の宿坊へ荷物を置いてからスタートしました。

安楽寺は弘法大師が赤茶色の温泉を掘り当てて、その地の病人を癒したという伝説があります。あるいは、猟師が鹿と間違えて座禅中のお大師様を射てしまったのですが、偶然木の枝が落ちて矢が当たってお大師様は助かり、お大師様がその枝を土に植えると枝は根付いて大木になったと言われています。それが境内の逆松です。

Anrakuji01

かつて逆松があったという庭。境内はよく整備されています。

Anrakuji02

札所一番から始めて最初に行き当たる宿坊です。札所二番の宿坊は現在休業中。広い湯船の温泉があります。熱めのお湯で歩き遍路の疲れを癒してくれます。料理もおいしいです。夕食前のお務めがあって希望者は参加ができます。ここのお務めは趣向を凝らしています。普段は入れない大師堂の中にもお参りさせてもらえます。

本尊薬師如来はこのお寺でお遍路を勧められて道中でお陰をもらって病気が恢復した、大阪の夫婦が寄進した薬師像です。秘仏の本尊が胎内物として納められています。この夫婦の感動的なお話は食堂で流れるビデオで見ることができます。つい三十年ほど前の実話だそうです。

昔の面影が残る街並みを通っていくと、小一時間で札所七番にたどり着きます。

 

第七番 十楽寺

光明山 蓮華院

本尊 阿弥陀如来

Jyurakuji01

お遍路とはあまり関係ないかもしれませんが、こちらの絵馬は絵が可愛かったです。

Jurakuji-2

 

ダウンロード -鎌倉時代前期皇室系図 zenkikamakurakeizu.pdf

さてここから遍路道を外れて北の山へ向かいました。気になる神社があったからです。山皇子神社、宮川神社、御所神社です。その日はお祭りの日で山皇子神社の神主さんから神社の由来を教えていただけました。山皇子神社には土御門上皇の御所があったという伝説があるそうです。

土御門上皇とは後鳥羽天皇の第一皇子。建久九年(1198)に四歳で践祚。父の後鳥羽上皇が院政を敷きました。そして承元四年(1210)十六歳の時に後鳥羽上皇の命により、弟の順徳天皇に譲位しました。

土御門上皇はとても温和な性格で、後鳥羽上皇の討幕計画には関与しませんでした。そのため、承久の乱でも罪に問われなかったのですが、「父が遠島なのに、息子の自分だけが京都に留まるわけにはいかない」と言って、自ら土佐国へ遷御しました。その後幕府の勧めで、畿内に近くて環境が良い阿波国へと移りました。その時の住居がこの辺りにあったと言われています。

上皇の御所と墓地の候補は複数あってどれが本物かは定かではないです。山皇子神社は、いかにも古代人が信仰しそうな形の山のふもとにありますので、古代からの信仰があって、それが上皇の記憶と習合したようにも思えます。

Yamaohji01

山皇子神社の遠景。平野に突き出した半島状の山。まさしく櫛。なだらかな三角型の山で、いわゆる神南備山です。上皇がお移りになる前からの聖地であったのでしょう。

Yamaohji03

山皇子神社。とても雰囲気の良いお社です。すぐ近くに謎の巨大な木造建築がありますが、この神社とは関係はなさそうです。

 

更に山の方へ行くと宮内川沿いに宮川神社があります。天照大神をお祀りする神社です。

Miyakawa01

こちらでもお祀りをしていました。お彼岸の中日だったからでしょうか。ここも静かで良いお社でした。古くからの鎮守といった感じです。

Miyakawa02 

Gosho08

天然温泉御所の郷

温泉施設を横目に見ながら西へ向かうと神宮寺と御所神社があります。御所神社の御祭神は土御門上皇と素戔嗚尊です。

神社に掲示してあった由緒によりますと、元々は吹越天王社と呼ばれていて、天禄年間(970頃)に、高林坊盛尊が讃岐国多度津浦から天王像を奉じて霊地を探してこの地に到り、領主の原田義富、三木景久とともに願主となって神社を創建したそうです。

元禄九年(1696)に神宮寺別当の順雄は、吹越神社が宮内川の洪水にさらされていることを憂えて、高台の上にお宮を移したと伝わっているそうです。

ここでも女性の神主さんが祝詞を唱えていました。御所神社という名前の通り、上皇の行在所の候補の一つです。神宮寺には驚くほど立派なお堂が立っておりました。

Gosho03

御所神社の本殿。とても長い階段を上ったところにあります。

Gosho01

でも実は高台の上にも道路があるので、車でお参りするのならば裏の道路から入るのが良いでしょう。神主さんも車で来ていました。

Gosho06  Gosho07

神宮寺の境内。薬師如来の道場らしいです。とてもきれいな境内で、地元の人たちから篤く信仰されていることが見て取れます。

 

幕府は上皇のために守護の小笠原長経に命じて御所を造営させていますので、気を遣っていたようです。上皇は寛喜三年(1231)に阿波国板野郡池谷で37歳で崩御されます。池谷は一番札所よりもさらに東ですので、実際はこの辺りに住んでいたようです。しかし熊野の海賊が上皇を迎えるために攻め寄せたこともあるそうで、この土成のあたりに避難することもあったのかもしれません。

十一年後に上皇の第三皇子が即位します。それが後嵯峨天皇で現代に繋がる皇統です。

 

第八番 熊谷寺

普明山 真光院

本尊 千手観音菩薩

江戸時代の初期に建てられた重厚な仁王門が目立つお寺です。大師堂からは徳島平野が遠望できます。

Kumagai01

Kumagai03

大きな多宝塔。熊野修験と関わりが深いお寺だそうです。

 

第九番 法輪寺

正覚山 菩提院

本尊 涅槃釈迦如来

熊谷寺から吉野川へ向かってなだらかに傾いている平野を下っていくと、九番札所につきます。この辺りは条里制跡もよく残っていて歩くのが楽しいです。

涅槃釈迦像がご本尊なのは、八十八ヶ所ではこちらだけです。

 

第十番 切幡寺

得度山 灌頂院

本尊 千手観音菩薩

ここからは約一時間ほどずっと緩い上り坂が続いて、地味に疲れます。でも道は歩きやすいです。名前の通り機織りの伝説が残っています。弘法大師がこの地を訪れた時、山麓で機織りの娘に出会いました。この時大師はほころびた僧衣を繕うために布切れを求めたところ、娘は織りかけていた布を惜しげもなく切って大師に差し出しました。

貧しい娘のこの行為に大師は感謝し、望みを尋ねたところ、「亡き父母の菩提を弔いたい」と言ったので、大師は一夜で観音菩薩像を彫り上げ、娘に得度灌頂を授けると、娘は生きたまま仏と化し、観音菩薩に姿を変えたそうです。

あるいはこのような伝説もあるそうです。弘仁年間機織りの娘が雲水に請われるままに布を与えました。その娘の父は北面の武士で(御所を警固する武士)阿部某といったが冤罪で殺されてしまい、妻も後を追ったので娘は天涯孤独の身なのでした。母が観音菩薩を作りたいと言っていたその願いをかなえてあげたいと娘は言いました。

雲水は一夜で本堂と本尊を作りました。そして娘はやはりその場で即身成仏して観音菩薩となりました。南向きの本尊がこの時に大師が彫った仏で、秘仏の北向き本尊は即身成仏した娘と言います。

この地域は機織りで有名な忌部氏の本拠地でしたので、このような伝説ができたのでしょう。

Kirihata01_20201108213701

お遍路の最初の難関。長い石段を登った先に本堂はあります。

観音巡礼者には懐かしい、観音霊場に多いタイプの山寺です。

Kirihata02

大師堂。

 

この日は歩いて安楽寺まで戻りました。かなり疲れたです。

« 札所四番から五番そして鹿江比売神 | トップページ | ヒーリングっとプリキュア~新年早々ラスボスが!? »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 札所四番から五番そして鹿江比売神 | トップページ | ヒーリングっとプリキュア~新年早々ラスボスが!? »