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2021年2月20日 (土)

遍路転がしの坂と札所十二番

昨年末にお遍路の続きに行ってきました。しょっぱな前回の到着点の札所十一番藤井寺から札所十二番焼山寺まで、古来からの山道を通ってお参りしました。別名遍路転がしの坂です。

ダウンロード - ohenromap01.pdf

遍路転がしの坂とは歩き遍路の途上にある険しい道のことです。お遍路さんが坂を転げ落ちる尾で、遍路転がしといいます。いくつかありますが、最初にぶつかるのが藤井寺から焼山寺までの道で、そして現在のお遍路ルートの中では最も長い未舗装路です。完全な登山路で、全長13㎞くらいあります。高さ800mほどの山を3回越えなければなりません。

登山に慣れた人にとっては、これは初級なのですが、京大阪といった平坦な都会に慣れた人たちにとってはとても大変だったろうと思います。間違いなく足腰を痛めたことでしょう。

 

焼山寺の本堂の左手から山道に入っていきます。しばらく石仏が並ぶ道を歩いていくと、やがて登山道に入ります。道はきれいに整備されており、乾いているので歩きやすいです。傾斜も登山道としては緩やかです。

  Henrokorogashi01_20210213152801

1時間ほど歩くと、眼下の徳島平野が一望できる場所があります。

Henrokorogashi02

中央に川に囲まれた田園地帯が見えるでしょうか。これが粟嶋(善入寺島)です。とても広い中洲です。

Henrokorogashi03

行程の1/3くらいの場所にある長戸庵というお堂。近くに公衆便所があります。

次のトイレは焼山寺の直前にある柳水庵なので、ここで用を済ませておいた方がよいでしょう。

Henrokorogashi04

行程の中間点あたりにある一本杉大師。杉の大木と、お大師さんの大きな銅像があります。ここまで来ると人里から隔絶していてとても静かです。

800mくらいの山を3つ越えると左右内の集落があります。ここからの最後の坂が非常に急です。山の中腹にある焼山寺まで300mを一気に登ります。最後の難所です。

Henrokorogashi05

水平距離ではすぐ横のはずなのですが、焼山寺がなかなか見えません。一時間くらい急坂を上ると急に参道に出ます。やっと焼山寺につきました。藤井寺を出てから4時間半でした。山に慣れていない人だと6時間かかるでしょう。

 

第十二番 焼山寺

摩廬山 性寿院

ご本尊 虚空蔵菩薩

Shozanji01

きれいに掃き清められた境内に、杉の大木が並びます。奥に見えるのが本堂です。この山では役小角が修行したとされ、弘法大師も来て、村人を悩ます大蛇がいて炎の幻影で弘法大師を悩ませたと言います。弘法大師が印を結んで祈ると虚空蔵菩薩が現れて、大蛇を巨大な岩に封じ込めました。そのためこの山を焼山寺と呼ぶようになったと言います。

Shozanji02  

焼山寺の大師堂。

大蛇を封印したという巨岩と、役小角が蔵王権現を祀ったという奥の院は焼山寺の山頂にあります。私も奥の院までお参りしてきました。巨岩はかなり迫力がありました。そして巨岩の手前にニホンカモシカがいて私のことを見ていました。野生のカモシカを見たのは初めてだったのでとても興奮しました。本堂から奥の院は歩いて往復1時間半。山は陽が沈むのが早いですから、お昼には本堂につかないと、奥の院までお参りするのは厳しいでしょう。

Shozanji03 

奥の院から四国山脈を眺める。この辺りは四国で最も山が険しいです。一番奥に見えているのは恐らく剣山なのではないかと思います。

 

さて歩き遍路ですので、ここから宿まで歩かなければなりません。これが大変。この日は神山温泉に宿を取ったのですが、町営バスが走っている県道まで2時間歩きました。

Saunai

左右内川。

Kamiyama01

この日は木星と土星が最接近しました。大きな木星と小さな土星がキラキラと冬の夜空にきらめいていました。さすがは木星、スマートフォンのカメラでも撮影できました。

神山温泉は町営の温泉施設で、宿泊施設も付随しています。肌がすべすべになる白いお湯が特徴。とても温まります。遍路転がしで疲れた足腰を癒すことができました。ホテルのレストランの食事もおいしかったです(7時ラストオーダーなので注意)。部屋も広くて快適でした。

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