宅宮神社
古いお遍路のルートは、十七番の井戸寺から南に折れて再び鮎喰川を渡り、徳島市内を通らずに眉山の西側を回って小松島方面へ行きます。近世になるまでは徳島市は湿地帯でまだ拓けていなかったからです。
眉山のふもとに地蔵院という大きな真言宗の寺院があります。安産の祈願所です。大きな池もあります。ここから歩き遍路は登山道になります。このルートは地蔵越えといわれています。
地蔵院 ご本尊 延命地蔵菩薩
地蔵越え、標高は150m程度だが、坂は急で滑りやすく遍路転がしの坂といえる。
峠で県道203号から西に分岐する林道があり、小一時間ほど下ると八万町の集落に出ます。ここに宅宮神社(えのみやじんじゃ)という古い神社があります。
宅宮神社鳥居
今回の旅行に出る前から「変わった名前の神社だな」と何となく気になっていたのですが、読みが「えのみや」であることを知り、Fateという漫画の主人公の衛宮(えみや)と同じ名前なので俄然興味が湧いて行ってみることにしました。
御祭神は大苫邊尊(おおとまべのみこと)で家宅・建築の守護神。だから家を守ると書いて宅宮なのだそうです。
他には大年大神(おおとしのおおかみ)と稚武彦命(わかたけるひこのみこと)もお祀りしています。
この神社は延喜式に意富門麻比売神社(おおとまひめ)として名前を留める由緒ある神社です。札所一番霊山寺の奥に鎮座する大麻比古神社と名前が似ています。戦国時代に戦乱で焼けて江戸時代になって現在の場所に再建されたそうです。徳島藩主蜂須賀家から代々篤く崇拝され、今でも地域住民から大事にされている神社です。
由緒の説明。この辺りの寺社はたいてい長曾我部元親によって焼かれたことになっています。どこまで本当なのでしょう?
社務所でご朱印と古代文字で書かれた護符をいただけました。ありがとうございました。
境内はよく整備されていました。宮司さんも熱心な方のようで、お祭りも盛んで、資料館もあるようです(コロナでお休み中でしたが)、神代文字についてはちょっと眉唾でしたが、とても落ち着いた気持になれました。
この日は地蔵橋駅まで歩き、徳島市内のホテルに泊まりました。
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