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2021年8月17日 (火)

丸子部の謎(1)源頼朝

丸子部という古代氏族があります。継体天皇や用明天皇の王子に丸子皇子・椀子皇子・麻呂子皇子という名前の皇子がいるので、皇族を育成する壬生部だったのではないかと言われています。丸子・丸という地名は千葉県南房総市、静岡県静岡市、沼津市、長野県上田市、神奈川県川崎市などにあり、和名抄にも載っています。これらの地域には延喜式内社もあり古代から開かれた地域であったようです。

 

万葉集には常陸国久慈郡の丸子部佐壯(まるこべのすけお)が詠んだ防人歌が掲載されています。奈良時代にも活動していたことがわかります。安房国の丸氏は南北朝時代に中先代の乱に参加しており、信州上田の丸子氏は戦国時代まで残っていました。

 

丸子には日本武尊伝説が残っているため、何か関連があるのではないかと言われています。

 

なんともとらえどころがない氏族ですが、安房国の丸郷(南房総市丸山町)を調べて、源頼朝とのつながりが見えてきました。

 

ダウンロード - maruyamamap.pdf

 

 

1)丸御厨

治承四年(1180)の8月17日、以仁王の令旨を受けて旗揚げした源頼朝は、23日に真鶴の石橋山で大庭景親と伊藤祐親の軍に敗北。山中を彷徨した後に船で相模を脱出し、29日に安房国平北郡猟島に上陸します。付き従う侍は土肥実平、北条時政、義時父子など数名だったと言われています。吾妻鏡によると洲崎神社と丸御厨を訪問し、上総下総の豪族に軍に参加するように使者を出したとされています。

安房国の丸郷は平治元年(1159)に源義朝が嫡男頼朝の昇進を願って伊勢神宮に寄進した荘園です。そのため丸御厨(御厨は伊勢神宮の荘園)と呼ばれていました。開発領主は丸子部の末裔の丸氏です。

 

2)丸氏と和田氏

この辺りは朝夷郡と呼ばれていました。通常は「あさい」と読みますが「あさひな」と読むこともあります。先に述べた静岡県の丸子宿の近くにも、朝夷という地名がありこちらは普通「あさひな」と読みます。これは鎌倉時代から戦国時代まで活躍した豪族の朝比奈氏の本拠地です。

初代侍所の和田義盛の三男の朝比奈義秀は、この朝夷郡で育ったので朝比奈という名字を名乗っています。そのため、和田氏の所領が安房国の朝夷郡にあったのではないかと考えられます。朝比奈義秀が育ったとされる千倉は丸郷のすぐ南です。

安房で源頼朝に追いついた和田義盛は、この時に侍所の別当になることを所望したと言われています。朝夷が和田氏の所領で、この時に和田義盛が頼朝に食糧や武具を補給して、その褒美として侍所を望んだのであれば分かります。

 

3)丸氏と鎌倉党

鎌倉党という武士団があります。相模国鎌倉郡に広がった桓武平氏で高望王の子の平良文の子孫とされています。三浦氏、鎌倉氏、村岡氏、三浦氏、大庭氏、梶原氏、長尾氏などです。

三浦氏や鎌倉市の始祖は平忠通です。平忠通は桓武平氏の平良文の子孫とされていますが証拠はありません。平忠通は源頼光、源頼信に仕えたとされています。

平忠通の子の村岡章名は相模大領の丸子公影の婿となり鎌倉郡に土着、子孫が鎌倉党として栄えました。大領というのは郡司の最高官です。丸子氏は恐らく鎌倉郡の郡司であったと考えられます。郡司は古代からその土地に根を張る氏族が代々就任します。鎌倉市や横浜市金沢区の六浦と千葉県南房総市は関東地方でも飛鳥時代から奈良時代にかけての横穴墓が多い地域で、古代にこの地域を開発した人々の墓ではないかとされています。この集団が丸子部であったのではないでしょうか。

村岡氏は丸子氏に婿入りすることで相模の国の中心部に広がります。村岡氏と同族の三浦氏も、和田氏が安房国の朝夷郡に領地を持っていたことから、三浦半島と房総半島の豪族と縁戚関係を結んだだようです。

桓武天皇―高望王ー平良文・・・村岡忠道(平忠通)ー村岡章名(丸氏婿)ー鎌倉党

                          |ー三浦氏

4)頼朝と丸子部

安房に落ち延びた頼朝が、丸子部の関東での本拠地の丸御厨を訪問したのは、丸子部と同族の鎌倉党に軍勢に参加するようアピールする意味があったと考えられます。これが功を奏したのか、石橋山の合戦では平家方についた鎌倉党の過半が今度は頼朝側につき、大庭景親は富士川の合戦で頼朝に敗北して処刑されました。これにより鎌倉党は完全に頼朝の配下となり、鎌倉党は御家人の核として働くようになるのです。

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